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【雑記】「自分の力で稼いでいる」という感覚は自分には無い
「富裕層に公正な課税を」という政治主張に対して「社会主義者は他人がせっかく自分の力で稼いだ金を税として取ろうとする」という批判が為されることがあります。 なるほど、そのように見られているのか、そして現在の日本社会ではむしろそのように捉えている人が多いのか、ということは感じつつも、ここでは僕自身の感覚の話を書かせていただきたいと思います。 結論から申し上げますと、僕は自分の仕事について「自分の力で稼いでいる」という感覚は年々消滅しつつあります。いや、別に当初から「自分の力で稼いでいる」なんて考えは持っていませんでしたから、むしろこの考えに対する反感が自分の中で年々増しつつあると言った方が正確かもしれません。 まず、音楽家などという肩書きを僕は名乗っていますが、僕は富裕層や現代の擬似貴族などに召し抱えられているわけではありません。僕の仕事先の大半は音楽に興味を持つ一般音楽愛好家です。合唱をやりたい人たちのために伴奏を務めソルフェージュを教え、音楽理論を学びたい人たちのために和声を教え、音楽を聴きたい人たちのために演奏会や試演会を企画開催します。

Satoshi Enomoto
2月14日読了時間: 4分


【学習記録】憲法は権力を制限するためのもの【日本国憲法】
僕は何ら憲法の専門家ではありません。一般の方々と同じように中学校の公民や高校の現代社会の授業で憲法のことを学びました。音大で教職課程を履修していたので、日本国憲法が必修だったというところだけが特殊です。 そうは言っても日本国憲法を取ったのは学部の一年生の時、あとは教員採用試験のために掘り起こしていた程度です。それでも今のような時勢においては、その復習に取り組むのも何かしら役に立つかもしれません。折角なので、書いて憶える(タブレットでの手書き入力です)のも兼ねて榎本が学び直したことをブログに残しておきたいと思います。シリーズ予定。 過去、歴史上には専制主義が蔓延りました。国家の統治が特定の支配者・権力者の手によって行われたわけですね。これを「人の支配」と呼びます。君主の支配権は神から授かったものとする考え方、即ち「王権神授説」も絶対王政を支えました。 これに対し、権力者の支配から国民の権利を守るために、権力を憲法によって制限するという「法の支配」たる考え方が立憲主義です。憲法を中心にして社会を組み立てるということ自体が字面の意味ではありますが

Satoshi Enomoto
2月5日読了時間: 3分


【雑記】クラシック音楽からの多文化共生
ネゼ=セガンが指揮した今年のウィーンフィル・ニューイヤーコンサート2026はまだ記憶に新しいでしょうか。ヨハン・シュトラウスⅡ世の《インディゴと40人の盗賊》序曲、《エジプト行進曲》(中東)、ヨーゼフ・ランナーの《マラプー・ギャロップ》(インド)、フローレンス・プライスの《レインボー・ワルツ》(アフリカ)など、ヨーロッパの外を題材にもつ作品が比較的多く演奏されました。 恐らく一般に知名度の高いクラシックの作品の中でも、欧米の外の文化や音楽から題材や印象を採ったであろう作品がいくらか思い浮かぶかもしれません。それは好奇心の対象にすぎなかった場合もあるでしょうし、例えば日本を題材とする欧米のクラシック音楽作品があったからといって「日本は凄いんだ」などと考えるのは自惚れに基づく早計ですが、好奇心にせよ憧れにせよ、あまり考えたくはないですが文化盗用にせよ、それら「欧米の外」から来た要素は確かにクラシック音楽の中に混ざり、その音楽の多様性に寄与したことでしょう。 歴史を振り返ってみれば、流石にアジアは地理的に遠かったにしても、クラシック音楽とその源流た

Satoshi Enomoto
1月30日読了時間: 5分


【雑記】生成AIが描く「崩れた文字」が気持ち悪くてしょうがない
最近目にするのですが、「生成AIが作ったと思われる広告宣伝画像の中の文字(特に漢字)の形状がおかしなことになっているのが放置されたまま世に出回っていることについて大変な気持ちの悪さを感じています。それこそ普通の宣伝広告から、ネット上のバズりに力を入れる政党の支持者たちが他の政党を攻撃する目的で量産する逞造の画像や漫画調の画像まで、種類は様々です。 なるほど、最近の生成AIは文字を取り込んで出力することができるようになりつつあるのだなと思う一方、それでもたまに異形の文字が紛れ込んでいるのが目に入ります。この現象のおかげで生成AIによる画像であると区別が付くことにもなります。漢字を自力で勉強しておくことの新たなメリットでしょうかね。 しかし、僕が生成AIの描く崩れた文字に対して抱く嫌悪は、別に「字をきれいに正しく書きましょう」などという小学校の先生のような観点から来るものではありません。 まず第一には、その字の崩れ方が人間的なミスのようなものではないという点が挙げられます。日本人だって殆どの人々は当然のように漢字を書き間違えることがあるわけです

Satoshi Enomoto
1月27日読了時間: 4分


【雑記】2025年の振り返り、来年の予定など
【2025年演奏した作品】 (主なもの。弾いたもの、歌ったもの混在) 武満徹《明日ハ晴レカナ曇リカナ》 面川倫一《自戒》より〈むじゅん〉 ドビュッシー《版画》 リリ・ブーランジェ《明るい庭園にて》 サティ《"星たちの息子"からの3つの前奏曲》 サティ《世紀ごとの時間と瞬間の時間》 サティ《最後から2番目の思想》 ラヴェル《水の戯れ》 ラヴェル《ソナチネ》 ラヴェル《亡き王女のためのパヴァーヌ》 間宮芳生《合唱のためのエチュード》よりⅣ、Ⅵ、Ⅷ 幸田延《ヴァイオリンソナタ ニ短調》 ながはな『飲酒の歌2 おもしろ』 アイスラー《統一戦線の歌》 ベルク《4つの歌曲》Op.2 信長貴富『等圧線』 シサスク《星の組曲第2集"ベツレヘムの星カペラ"》 ラウタヴァーラ《ピアノソナタ第1番"キリストと漁夫"》 ラウタヴァーラ《ピアノソナタ第2番"火の説法"》 ペルト《アリーナのために》 ペルト《アリヌーシュカの快復のための変奏曲》 メラルティン《ピアノソナタ第1番"黙示録幻想"》 J.S.バッハ=メラルティン編《Ich halte treulich still

Satoshi Enomoto
2025年12月30日読了時間: 6分


【音楽理論】楽語の意味を元になった言語としての意味に求めてよいのだろうか
楽譜を読む時、様々な楽語が目に入ってくることでしょう。それらの楽語の意味を知るために、我々はまず楽語辞典を引くことになります。検索エンジンで調べる方もいらっしゃるでしょう。出てくる情報の多少の差はあれど、概ね共通した「楽語の意味」には辿り着けることと思います。 ここで好奇心の強い方は、その楽語の元となっている言語上の意味についても調べようとするかもしれません。楽譜上の言葉の多くはイタリア語ですが、ドイツ語やフランス語などもあるでしょう。楽語についての辞書ではなく、言語についての辞書も引くことになるわけです。 言語としての元の意味を知ることによって「だから楽語としてはこのような意味になるのか」と納得できる場面も多々あると想像されます。それ自体は学びとして結構なことです。 ところが、問題提起はここからです。果たして 楽語の意味は言語の意味と本当に同じでしょうか? 「言語の意味から楽語の意味が導き出されているのだから、意味が異なるわけがないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、楽譜における楽語の用いられ方は、会話や文章における言語の用いら

Satoshi Enomoto
2025年10月31日読了時間: 7分


【雑記】フライング拍手・フライングブラヴォーを撲滅せよ
記事タイトルの通り、これらに関して僕はフライング拍手・フライングブラヴォー完全否定派です。自分の演奏に関してはそもそも聴きに来る方々が良心的である場合が多いので(そりゃあこんな奇妙なプログラムをわざわざ聴きに来てくれるのだから)、フライングでこれらが飛んだことは今までにありませんが、しかし自分が聴く側でいる時に同じ客席から飛び出したこれらの被害に遭ったことは何度もあります。 自分の経験した中で特に許せなかった例を挙げるとすれば、ミューザ川崎でシェーンベルク《グレの歌》を聴いた時でしょうか。大編成の合唱とオケから放たれる大音響の残響がまだ全然残っている内にフライング拍手もフライングブラヴォーも起きたのですから、どんなに不快であったかは想像していただければと思います。ジョナサン・ノットはまだ手を下ろしていませんでした。フライングで拍手やブラヴォーを飛ばす人々はいかにもコンサート馴れしているような素振りをしつつも、指揮の見方は知らないようです。 演奏者側からすると、どんなに早く拍手やブラヴォーが起こったとしても、それが音楽を全部味わい切った直後のも

Satoshi Enomoto
2025年10月17日読了時間: 6分


【感想】vocalconsort initium『Friede auf Erden ── trotzdem』
知り合いも複数人参加しているvocalconsort initiumの第10回演奏会『Friede auf Erden ── trotzdem』を聴いてきました。《Friede auf Erden(地上の平和)》というのはご存知の通りシェーンベルクの合唱作品のうち初期の代表...

Satoshi Enomoto
2025年10月3日読了時間: 3分


【雑記】「ニューメディア」は嘘つきだ!:陰謀論を引き摺り降ろせ
僕は普段からブログやSNSを駆使して活動の広報を行っています。チラシも蒔いているにはいるのですが、しかしやはりどちらかと言えばネット上の広報の方が集客には繋がっているように感じます。なにせやっている音楽がニッチなもので、むしろニッチなものを自発的にサーチしているような人に発...

Satoshi Enomoto
2025年8月21日読了時間: 7分


【雑記】千鳥ヶ淵戦没者墓苑へ参ってきました
8/15には追悼行事もあるだろうと考えて別の日に千鳥ヶ淵戦没者墓苑へ行ってきました。所在地は以前から知っていたものの、実際に参ったのは今回が初めてでした。 戦死した曾祖父の墓参りにはここ数年行っているものの、曾祖父の場合は身元もわかっている上で遺骨も戻ってきましたし、認知...

Satoshi Enomoto
2025年8月17日読了時間: 2分


【社会】"私の戦後80年宣言"
日本共産党の田村智子委員長が「皆それぞれの『私の戦後80年宣言』を考えてみてはどうか」という旨をInstagramの配信で発信していたのを見たので、それに対する考えも併せて自分なりの『私の戦後80年宣言』を書いてみる次第です。...

Satoshi Enomoto
2025年8月15日読了時間: 8分


【名曲紹介・対訳】ブレヒト『統一戦線の歌』:団結してナチズムに立ち向かうための歌
Das Einheitsfrontlied 統一戦線の歌 詩 Bertolt Brecht (1898-1956) 曲 Hanns Eisler (1898-1962) Und weil der Mensch ein Mensch ist, 人間は人間であるが故に drum...

Satoshi Enomoto
2025年8月13日読了時間: 7分


【出演告知】副次的文化系歌曲祭Vol.4【2025.9.27】
副次的文化系歌曲祭Vol.4 2025年9月27日(土) 16:30開場 17:00開演 会場:トーキョーコンサーツ・ラボ 東京都新宿区西早稲田2-3-18 観覧無料(要申込登録) 観覧申込フォーム https://docs.google.com/forms/d/e/1F...

Satoshi Enomoto
2025年8月11日読了時間: 2分


【雑記】生成AIを頼らずに自力で作曲をすることの意味:自らの体験・経験とすること
生成AIの利用がカジュアルになりつつある昨今において、個人的には色々な観点で思うところ考えるところがあり、しかしその方向性が多岐に渡るので、まとめては言及せずにトピックごとに記事を分けて書いてきたいと思います。 わざわざ人間が頑張って作曲をせずとも、生成AIが勝手に音楽を...

Satoshi Enomoto
2025年5月13日読了時間: 4分


【探訪記】代々木《春の小川》記念碑:得たものの代わりに失ったもの
高野辰之作詞、岡野貞一作曲による文部省唱歌《春の小川》。この詩のモデルとなった小川には諸説あるものの、その歌碑(記念碑)の一つが代々木にあると聞いて、実際にその場所を訪ねてみました。高野辰之が代々木に住んでいたことが理由となっているようです。...

Satoshi Enomoto
2025年4月18日読了時間: 4分
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