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【探訪記】《城ヶ島の雨》と三浦三崎の北原白秋
城ヶ島の雨 雨はふるふる、城ヶ島の磯に、 利休鼠の雨がふる。 雨は眞珠か、夜明の霧か、 それともわたしの忍び泣き。 舟はゆくゆく通り矢のはなを、 濡れて帆あげたぬしの舟。 ええ、舟は櫓でやる、櫓は唄でやる、 唄は船頭さんの心意氣。 雨はふるふる、日はうす曇る。 舟はゆくゆく、帆がかすむ。 北原白秋 月一で開催している地元町内会主催の童謡唱歌を歌う会において、今月は初めて北原白秋作詞/梁田貞作曲の《城ヶ島の雨》を取り上げます。 大学の副科声楽のレッスンでも歌った思い入れのある曲ですし、数年前には初日の出を見に城ヶ島へ行ったこともあります。アクセスがそこまで悪いわけでもないので、白秋について調べることを目的に、実際に足を運んでみました。 というわけで降り立ちましたのは京浜急行の三崎口駅。ここからさらにバスに乗って城ヶ島へ向かいます。馬堀海岸から三崎口までの乗車時間は30分ほどですが、ここからさらにバスに乗って城ヶ島まで行くとなると、バスの待機時間も込みでどうしても1時間ほどはかかりますね。 完全な余談を一つ。三崎口駅は京急の終点であるわけです

Satoshi Enomoto
6月18日読了時間: 6分


【演奏会告知】私的演奏協会『ベートーヴェン《2つの幻想曲風ソナタ》Op.27』
私的演奏協会 ベートーヴェン《2つの幻想曲風ソナタ》Op.27 2026年6月28日(日) 17:30開場 17:40開演 19:30終演予定 解説・演奏 榎本智史 曲目 ベートーヴェン 《ピアノソナタ第13番》Op.27-1 《ピアノソナタ第14番「月光」》Op.27-2 会場 空音舎 東京都大田区南六郷2-5-10 サンアイランド102 京浜急行「雑色」駅より徒歩 定員15名 入場無料 投げ銭歓迎 問い合わせ&予約申し込み ✉ info@virtuoso3104.com または当ホームページCONTACTフォームより このところソロでは近代オーストリア→近代フランス→近現代フィンランド&エストニアというラインナップを弾いてきているわけですが、ここで古典派もやっておこうという気が起こりましたので、新たな『私的演奏協会』シリーズの企画を立てた次第です。 …と言いますのも、来年はベートーヴェンの没後200年のメモリアルイヤーです。ベートーヴェンは自分にとっては非常に重要な作曲家ですし、来年色々と弾くためには今のうちから用意しておく必要があるでし

Satoshi Enomoto
5月30日読了時間: 2分


【楽譜販売】ヨハン・シュトラウスⅡ世《ハンガリー万歳!》Op.332 ピアノ連弾編曲
【BOOTH】 ヨハン・シュトラウスⅡ世《ハンガリー万歳!》Op.332 ピアノ連弾編曲 https://virtuoso3104.booth.pm/items/8312518 【Piascore】 ヨハン・シュトラウスⅡ世《ハンガリー万歳!》Op.332 ピアノ連弾編曲 (ヨハン・シュトラウス2世) / 中級 https://store.piascore.com/scores/414122 久しぶりに編曲楽譜を発売しました。ヨハン・シュトラウスⅡ世のポルカ・シュネル《ハンガリー万歳!》Op.332をピアノ連弾に編曲しました。 早速の裏話を書いてしまいますが、この編曲は既に昨年のうちに手書きで一通りスケッチが終わっていたものでした。浄書に取り掛からずに作業を止めていたのです。 昨年出した《ハプスブルク万歳!》Op.408 ( https://virtuoso3104.booth.pm/items/7047321 ) と同じタイプの曲であると思うわけですが、この類の曲は愛国心を煽る危険性がありますね? 既にハプスブルクの王政は無く、中立化し

Satoshi Enomoto
5月6日読了時間: 2分


【名曲紹介】ベートーヴェン《ピアノソナタ第13番『幻想曲風ソナタ』》Op.27-1
Op.27-2の方が有名だし分析も楽だしということで先に記事を書いたわけですが、やはり「月光」ばかりを取り上げてその工夫を賞賛しながら、より珍妙な構成をもっている第13番Op.27-1をスルーしておくのはよくないであろうと思いまして早速書くことにしました。 ベートーヴェンのピアノソナタの中で、第13番と第14番は『2つの幻想曲風ソナタ』としてOp.27という作品番号にまとめられています。その内の第14番の方が一般に「月光」と呼ばれて親しまれている一方、第13番はお世辞にも人気とは言えない扱いを受けています。僕でさえ、きちんと第13番がどのような曲であるかを認知したのは音大に入ってからでした。もちろん楽譜は手元に持っていたのですが、意識は向かなかったのです。楽曲構成のイレギュラーぶりとしてはどう考えても特筆すべき位置にある作品なのですが、如何せん音楽としての聴き栄えが地味である上に「月光」のようなイメージ戦略による売られ方もしなかったために、一般知名度は今なお明らかに低いでしょう。 そもそも第13番のどのような点が当時の他のソナタと比べてイレギ

Satoshi Enomoto
3月30日読了時間: 6分


【名曲紹介】ベートーヴェン《ピアノソナタ第14番『幻想曲風ソナタ(月光)』》Op.27-2
いかにも名曲らしい名曲、既に充分な知名度をもっている作品、しかも既に解説され尽くしたに等しいであろう作品についてわざわざ記事に書こうというつもりはあまり無かったのですが、僕個人の作品に対する捉え方を書いておくことは悪いことではないだろうと考えまして、そのいかにも名曲らしい名曲たるこの作品について書いてみる次第です。 既に広く知られている通り、この《ピアノソナタ第14番》Op.27-2を指して呼ぶところの「月光」という名前自体はベートーヴェン自身が付けたものではありませんし、音楽の内容を意味するものでもありません。ベートーヴェンの死後に音楽評論家・詩人のレルシュタープが寄せた批評に基づくニックネームです。 むしろベートーヴェン自身が第13番と併せて付けた『幻想曲風ソナタ Sonata quasi una fantasia』の方がよりこのソナタの内容を直接的に表していると僕は考えています。第13番はかなり自由度の高い構成が行われているわけですが、作品番号を同じくする第14番もまたそれに準ずるものであろうということです。 この第14番を指して「一

Satoshi Enomoto
3月22日読了時間: 6分


【名曲紹介】ベートーヴェン《ピアノソナタ第22番》Op.54
ベートーヴェン中期には愛すべきソナタが色々あると思っています。もちろん既に世間一般においても人気の高い番号がいくつか挙がるでしょう。 しかし榎本個人の好みはそこから若干ズレていることが否定できません。別に有名曲を意図的に嫌っているわけではないのですが、どうにも好きになれない曲があるのも事実です。具体的に名指しすると第21番「ヴァルトシュタイン」と第23番「熱情」。今後気に入る可能性も無くはないですが、現時点ではアンテナに引っかかりません。 ところで、第21番と第23番という大きな意欲作に挟まれて、何やら影の薄そうなソナタがあるではありませんか。 それが今回の記事で取り上げる《ピアノソナタ第22番》です。 この《ピアノソナタ第22番》Op.54が書かれたのは1804年のこと。まさに先述の《ピアノソナタ第21番「ヴァルトシュタイン」》Op. 53と《ピアノソナタ第23番「熱情」》Op.57の間に書かれました。第21番と第23番はいずれも大規模な部類のソナタであり、それらを書いている時期のベートーヴェンのヴァイタリティは推して知るべしというとこ

Satoshi Enomoto
2月25日読了時間: 5分


【YouTubeコラボ】のらクラシック部『40パートある合唱曲の楽譜を持ってきてもらった』
前回のコラボ動画の撮影時には、「初心者におすすめ」とは言えないであろう合唱曲の楽譜も持参していました。なにせのらクラシック部のこと、何かしら別の動画のネタにもしてもらえるであろうと榎本は考えまして、ダンボールを加工してケースを作って雨の中この巨大な楽譜を運んだのでした。 さて、その楽譜とは既にサムネイルに見えている通り、トマス・タリスの《Spem In Alium》です。通称「40声のモテット」のまさにスコアです。5声×8群という規模をもちまして、そのへんのオーケストラのスコアよりも段数の多い楽譜となっています。 一般における知名度は低いかもしれませんが、ルネサンス音楽に手を出したことがある人ならばいずれかのタイミングで存在を知ることになる作品であると言えるでしょう。流石に演奏経験者ともなると稀でしょうけれども、知っている人は知っているという立ち位置にあります。 僕自身は特にルネサンスに詳しいということもなく解説もできず、今回の動画は「巨大合唱曲の楽譜を見て/音楽を聴いてのリアクション動画」のようなものになっています。 動画の中では言わな

Satoshi Enomoto
1月19日読了時間: 2分


【YouTubeコラボ】のらクラシック部『合唱曲初心者のクラシック好きに聴いてもらいたいおすすめ曲10選!』
以前コラボとして『のらクラシック部』さんでヴェーベルンの解説をさせていただきましたが、再びのコラボとなりました。 今回のテーマは「合唱初心者のクラシック好きにおすすめしたい合唱曲」とのこと。榎本がピアノのみならず合唱にも関わっていて、もはや伴奏や編曲どころではなく合唱の一員として歌っているということをのらクラシック部のメンバーの数人は以前から知っていたため、今回も呼ばれることとなりました。 どちらかと言えば「合唱はこれくらい知っておかなきゃ」という偉ぶった観点でのおすすめではなく、「合唱ってこんなことができるんだぜ!」という観点で選曲をしました。事前の選曲の擦り合わせは全く無かったものの、のらクラシック部のメンバーも大体そのような観点で選んでいるように思います。 著作権保護上、動画内で作品音源は聴けませんが、トークを基に視聴者ご自身で楽譜や音源を探してみて、聴くなり、あるいは合唱を始めて演奏に参加してみるなりしていただきたいと思います。 きちんと動画を再生していただきたいので、ここにおすすめした曲のラインナップを書いたりはしません。...

Satoshi Enomoto
2025年12月31日読了時間: 2分


【名曲紹介】シサスク《星の組曲》第1集『カシオペア座』&第2集『ベツレヘムの星カペラ』
この記事はエストニアの作曲家ウルマス・シサスク(Urmas Sisask, 1960-2022)の《星の組曲》の第1集『カシオペア座』および第2集『ベツレヘムの星カペラ』について紹介を試みるものですが、まずは僕個人がシサスクに注目した経緯を書かせてください。 僕がシサスクを知ったのは、恐らくのらクラシック部のはせさんから教えていただいたのが最初であったと思います。 この《Voices of the Universe》という作品の動画を視聴したのを憶えています。シャーマンドラムをノリノリで叩いているのがシサスクその人です。和声が抒情的でありながらもエネルギッシュな原始性を感じました。 その後《銀河巡礼》シリーズも知りつつ、しかしなかなか楽譜は手に入れていない状況が続いていたところ、ふと見つけたのが音楽之友社から出ていた《星の組曲》でした。子供向けということもありますが、この曲と合うプログラムをやる機会がたまたま無く、しばらく本棚の肥やしになっていたのが正直なところでした。 そんな2022年10月に、松下耕先生が自身の還暦記念に作曲家たちに委

Satoshi Enomoto
2025年12月16日読了時間: 5分


【名曲紹介】《4分33秒》だけじゃない、勝手にケージ入門楽曲5選+α
ジョン・ケージ(John Cage, 1912-1992)の名前は恐らく《4分33秒》と共に知られているでしょう。「無音の音楽」として既にご存じの方も多かろうと思われますから、もう驚くほどのものではないでしょう。むしろ、 面白可笑しく「演奏してみました(何もしない)」などというポーズを取る人が定期的に現れるのを見るのにはそろそろ飽きてきました 。 まあそれだけならどうということは無いのですが、この《4分33秒》だけが独り歩きして世間一般におけるケージのイメージが「無音」になるということは、ケージの音楽における恣意的な部分を好んでいる僕にとってはあまり快いものではありません。あろうことか、方々のカフェやバーなどで僕がケージの小品を弾くと決まって、しかも普段ピアノを弾いている人からさえ「これもケージの作品なんだ~!」などと驚かれるものです。 そこで特にケージの専門家などではない榎本が愛聴している作品を独断と偏見において選び、頼まれてもいないのに薦める記事をここに書く次第であります。僕はケージを研究しているわけではないので迂闊に専門的なことには言及

Satoshi Enomoto
2025年10月22日読了時間: 6分


【YouTubeコラボ】のらクラシック部『ウェーベルンの代表作《ピアノのための変奏曲》Op.27を徹底解説!』【期間限定公開】
のらクラシック部 『ウェーベルンの代表作《ピアノのための変奏曲》Op.27を徹底解説!』 前編 後編 修正・補足編 プロ・アマチュア音楽家の友人たちが立ち上げたクラシック音楽系YouTuberグループ『のらクラシック部』にお呼びいただきまして、ヴェーベルンの《ピアノのための変奏曲》Op.27について解説トーク(榎本個人の意見も含む)をした動画が期間限定公開となりました! のらクラシック部のメンバーは昨年から榎本が不定期開催で行っている作品解説&実演を試みる試演会『私的演奏協会』、やはり昨年のリサイタル『十二音の色彩 〜シェーンベルク生誕150年によせて〜』、そして今年の『象徴と時間 近代フランス音楽の開拓者たち』にもご来場くださり、普段から大変お世話になっているところです。 今年の5月時点でこの解説動画のお話をいただき、8月頭に収録を行いました。ところが前編後編を公開直後、参考にした資料の一部に誤りがあったことが判明し、急遽修正・補足編を追加で撮って編集していただく…という大変な作業を、のらクラシック部さんには突貫でやっていただきました。お

Satoshi Enomoto
2025年10月14日読了時間: 2分


【名曲紹介・対訳】ブレヒト『統一戦線の歌』:団結してナチズムに立ち向かうための歌
Das Einheitsfrontlied 統一戦線の歌 詩 Bertolt Brecht (1898-1956) 曲 Hanns Eisler (1898-1962) Und weil der Mensch ein Mensch ist, 人間は人間であるが故に drum...

Satoshi Enomoto
2025年8月13日読了時間: 7分


【探訪記】代々木《春の小川》記念碑:得たものの代わりに失ったもの
高野辰之作詞、岡野貞一作曲による文部省唱歌《春の小川》。この詩のモデルとなった小川には諸説あるものの、その歌碑(記念碑)の一つが代々木にあると聞いて、実際にその場所を訪ねてみました。高野辰之が代々木に住んでいたことが理由となっているようです。 最寄り駅は東京メトロ千代田線「代々木公園」駅、ならびに小田急線「代々木八幡」駅です。今回は代々木公園駅から歩きました。 すぐそばには代々木深町小公園があります。公園に沿って歩いていきます。ちなみに車道を挟んで反対側には広い代々木公園が続いています。 さらにしばらく行くと、もう一つの公園が見えてきます。その名も『渋谷はるのおがわプレーパーク』。地元では《春の小川》は一応シンボルにはなっているようですね。管理棟まである公園ですが、入口に立っている看板の説明書きはなかなかのストロングスタイル…コンセプトは理解できないでもないですが、そこまで言うかと思わないでもないところです… この『渋谷はるのおがわプレーパーク』の中に《春の小川》記念碑があるのかと言うと、厳密にはそうではありません。プレーパークを横切って

Satoshi Enomoto
2025年4月18日読了時間: 4分


【名曲紹介】ホルスト《セント・ポール組曲》:旋法と反復と民謡が織り成す学習用組曲?
作曲家ホルスト(Gustav Holst, 1874-1934)と言えば、一般に知られている作品は代表作である《惑星》ほぼ一作というのが現状でしょう。ここに、弦楽を嗜む人の場合は《セント・ポール組曲》、吹奏楽を嗜む人の場合は《吹奏楽のための組曲第1番》《同第2番》が続くこと...

Satoshi Enomoto
2025年4月8日読了時間: 6分


【名曲紹介】間宮芳生《合唱のためのエチュード》:民族音楽系合唱練習曲集
僕は自分の所属する合唱団(合唱団DIO)で歌える曲を常日頃から漁っています…というのも、合唱団DIOは慢性的な女声不足でして、しかし女声不在というわけでもないので、普通の混声四部合唱をするにはパートバランスがそれはもう酷い状態で活動をしています。...

Satoshi Enomoto
2025年3月17日読了時間: 7分
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