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【名曲紹介】ベートーヴェン《ピアノソナタ第22番》Op.54
ベートーヴェン中期には愛すべきソナタが色々あると思っています。もちろん既に世間一般においても人気の高い番号がいくつか挙がるでしょう。 しかし榎本個人の好みはそこから若干ズレていることが否定できません。別に有名曲を意図的に嫌っているわけではないのですが、どうにも好きになれない曲があるのも事実です。具体的に名指しすると第21番「ヴァルトシュタイン」と第23番「熱情」。今後気に入る可能性も無くはないですが、現時点ではアンテナに引っかかりません。 ところで、第21番と第23番という大きな意欲作に挟まれて、何やら影の薄そうなソナタがあるではありませんか。 それが今回の記事で取り上げる《ピアノソナタ第22番》です。 この《ピアノソナタ第22番》Op.54が書かれたのは1804年のこと。まさに先述の《ピアノソナタ第21番「ヴァルトシュタイン」》Op. 53と《ピアノソナタ第23番「熱情」》Op.57の間に書かれました。第21番と第23番はいずれも大規模な部類のソナタであり、それらを書いている時期のベートーヴェンのヴァイタリティは推して知るべしというとこ

Satoshi Enomoto
20 時間前読了時間: 5分


【演奏後記】企画合唱団Harmonia Suavis演奏会
2026年2月22日、約半年に渡った横浜での企画合唱団Harmonia Suavisの本番が終わりました。 2024年末に「企画合唱をやりたいので人を集めてほしい」と言われた時には、僕の乏しい人脈でどうにかなるものなのか?と不安にすら思ったほどでしたが、合唱団DIOや合唱集団EARTHといった直接関わりのある合唱団のメンバーのみならず、「知り合いの知り合い」くらいの距離にいた合唱人・音楽人が集まってくれました。 参加者の皆様も各々感想はあると思いますが、ここでは榎本個人の感想を書かせてください。 まず、今回個人的に最もチャレンジだったのはオルガンを弾くことになったことでした。実は知人のオルガニストが名乗りを上げてくれていたものの、ホールを取れた日時が当初の計画と異なってしまったため辞退となり、「このまま人が見つからなそうであれば榎本がどうにか練習して間に合わせる」と申し出たのが発端でした。 高校時代、今回の主宰である葛岡先生の下で、榎本は通奏低音を経験していました。ただしオルガンではなくチェンバロでのものです。パッヘルベルの《カノン》とJ

Satoshi Enomoto
3 日前読了時間: 3分


【言語】超ざっくりオランダ語発音(正確なものは他所で習ってください)
※これは筆者個人の学習ノートとその所感です。筆者自身はオランダ語の専門家ではありません。記事に書いて覚えるために書いているようなものですのであしからず。 …というわけで、フランス語は扱えないと言ったくせにオランダ語は齧っています。実はそのあたりの音楽にも興味があるからというシンプルな理由です。スウェーリンクがいたところですからね、ドイツ音楽寄りの人間としては無視できないところです。 さらにオランダ語は英語やドイツ語と同じ西ゲルマン語群です。これは3つの言語を並べて比較学習できるのでは?という考えがありました。(なお、似ているせいで変に紛らわしいということには実際にやってみてから気付いた) 果たしてオランダ語を使う機会があるのかどうかはさておき、ポイントをまとめつつ自分が感じたことも書いてみたいと思います。 【 aa 】【 ee 】【 oo 】【 uu 】 いわゆる長母音の綴りですね。ee と oo ならば英語などでも見覚えがありますが、やはり驚いたところは aa と uu でした。それらの文字を続けて書くことがあったのかと…しかも、uu.

Satoshi Enomoto
2月18日読了時間: 4分


【雑記】「自分の力で稼いでいる」という感覚は自分には無い
「富裕層に公正な課税を」という政治主張に対して「社会主義者は他人がせっかく自分の力で稼いだ金を税として取ろうとする」という批判が為されることがあります。 なるほど、そのように見られているのか、そして現在の日本社会ではむしろそのように捉えている人が多いのか、ということは感じつつも、ここでは僕自身の感覚の話を書かせていただきたいと思います。 結論から申し上げますと、僕は自分の仕事について「自分の力で稼いでいる」という感覚は年々消滅しつつあります。いや、別に当初から「自分の力で稼いでいる」なんて考えは持っていませんでしたから、むしろこの考えに対する反感が自分の中で年々増しつつあると言った方が正確かもしれません。 まず、音楽家などという肩書きを僕は名乗っていますが、僕は富裕層や現代の擬似貴族などに召し抱えられているわけではありません。僕の仕事先の大半は音楽に興味を持つ一般音楽愛好家です。合唱をやりたい人たちのために伴奏を務めソルフェージュを教え、音楽理論を学びたい人たちのために和声を教え、音楽を聴きたい人たちのために演奏会や試演会を企画開催します。

Satoshi Enomoto
2月14日読了時間: 4分


【YouTube更新】グリーグ《Ave maris stella》オルガン独奏
Grieg《Ave maris stella》 Organ: Satoshi Enomoto グリーグの《Ave maris stella》はラテン語の無伴奏合唱作品として知られていますが、元は1893年に歌とピアノという編成で、デンマーク語の歌詞で書かれた歌曲であったようです。1898年に無伴奏合唱編曲され、歌詞もラテン語に変わりました。 今月22日の Harmonia Suavisの演奏会 では、オルガン伴奏による斉唱でお届けします。そのようなわけでして、今回アップした動画では先行してオルガン独奏版としました。 昨年末からオルガンを練習し始めまして、音作りや操作方法など、なんとなく慣れてきたところではあります。なるほど、このオルガンという楽器は原始的なシンセサイザーかもしれません。ピアニストの友人たちがハマるのにも納得がいきました。ピアノの方にも感覚を生かせればよいなと個人的には思っております。

Satoshi Enomoto
2月10日読了時間: 1分


【楽譜販売】リセンコ《タラス・ブルバ》序曲 ピアノ2台8手編曲
【BOOTH】 リセンコ 歌劇《タラス・ブルバ》序曲 ピアノ2台8手編曲 https://virtuoso3104.booth.pm/items/7960876 【Piascore】 リセンコ《タラス・ブルバ》序曲 ピアノ2台8手編曲 (ミコラ・リセンコ) / 中〜上級 https://store.piascore.com/scores/394258 ウクライナの作曲家ミコラ・リセンコは、CDアルバム『ウクライナのピアノ作品集』の中で榎本が担当した作曲家です。最近もたまに演奏していたりはしたのですが、実は昨年からチマチマと編曲を進めていました。それがこのオペラ《タラス・ブルバ》序曲のピアノ2台8手のための編曲です。 きっかけは至ってシンプルです。僕は昨年3月に来日したオデーサ国立歌劇場オーケストラの神奈川公演を聴きに行きました。この曲自体を僕は以前から知っていましたが、その公演を聴いて、ウクライナのオーケストラがこの曲を非常に大切にしているであろうことを感じました。彼ら彼女らにとってのテーマソングのような立ち位置なのでしょう。...

Satoshi Enomoto
2月9日読了時間: 3分


【学習記録】憲法は権力を制限するためのもの【日本国憲法】
僕は何ら憲法の専門家ではありません。一般の方々と同じように中学校の公民や高校の現代社会の授業で憲法のことを学びました。音大で教職課程を履修していたので、日本国憲法が必修だったというところだけが特殊です。 そうは言っても日本国憲法を取ったのは学部の一年生の時、あとは教員採用試験のために掘り起こしていた程度です。それでも今のような時勢においては、その復習に取り組むのも何かしら役に立つかもしれません。折角なので、書いて憶える(タブレットでの手書き入力です)のも兼ねて榎本が学び直したことをブログに残しておきたいと思います。シリーズ予定。 過去、歴史上には専制主義が蔓延りました。国家の統治が特定の支配者・権力者の手によって行われたわけですね。これを「人の支配」と呼びます。君主の支配権は神から授かったものとする考え方、即ち「王権神授説」も絶対王政を支えました。 これに対し、権力者の支配から国民の権利を守るために、権力を憲法によって制限するという「法の支配」たる考え方が立憲主義です。憲法を中心にして社会を組み立てるということ自体が字面の意味ではありますが

Satoshi Enomoto
2月5日読了時間: 3分


【雑記】優里《ベテルギウス》の冒頭の歌詞は特におかしくはないと思う
空にある何かを見つめてたら それは星だって君がおしえてくれた 優里《ベテルギウス》より …この歌詞が「おかしい」という話を時々目にします。曰く、「空にある星を見てそれが星だと判らない奴がいるか」「星を知らんのか」「見ればわかるものを教えにくるのか」などと、散々な言われようです。 SNSなどでは専らこのことを揶揄する投稿がインプレッションを荒稼ぎし、他の媒体でも「星を知らない状況とは?」などという面白半分のネタ考察が為される始末であり、これは流石にこの曲が浮かばれんな…と他人事ながらに思うところです。 いや、先日これを合唱編曲しましたので、本心的にはあまり他人事でもありませんでした。編曲作業をする上でこの曲を何度も聴いたり取コピしてピアノで弾き歌いしたりしていたのでありまして、その中での自分の感覚では、件の歌詞は捉え方によっては全くおかしなことは無いと言えるものであると考えています。 作者本人がそう言っているわけではなく、榎本個人の感覚でどのように捉えているかをダラダラと書きたいと思います。 そもそも、歌詞は小説を読むのと同じように読めば

Satoshi Enomoto
1月31日読了時間: 4分


【雑記】クラシック音楽からの多文化共生
ネゼ=セガンが指揮した今年のウィーンフィル・ニューイヤーコンサート2026はまだ記憶に新しいでしょうか。ヨハン・シュトラウスⅡ世の《インディゴと40人の盗賊》序曲、《エジプト行進曲》(中東)、ヨーゼフ・ランナーの《マラプー・ギャロップ》(インド)、フローレンス・プライスの《レインボー・ワルツ》(アフリカ)など、ヨーロッパの外を題材にもつ作品が比較的多く演奏されました。 恐らく一般に知名度の高いクラシックの作品の中でも、欧米の外の文化や音楽から題材や印象を採ったであろう作品がいくらか思い浮かぶかもしれません。それは好奇心の対象にすぎなかった場合もあるでしょうし、例えば日本を題材とする欧米のクラシック音楽作品があったからといって「日本は凄いんだ」などと考えるのは自惚れに基づく早計ですが、好奇心にせよ憧れにせよ、あまり考えたくはないですが文化盗用にせよ、それら「欧米の外」から来た要素は確かにクラシック音楽の中に混ざり、その音楽の多様性に寄与したことでしょう。 歴史を振り返ってみれば、流石にアジアは地理的に遠かったにしても、クラシック音楽とその源流た

Satoshi Enomoto
1月30日読了時間: 5分


【言語】超ざっくりドイツ語発音(正確なものは他所で習ってください)
超ざっくり外国語発音第二弾ということで、ドイツ語を持ってきました。前回のイタリア語の記事と同様、本当に丁寧に正確に学習したい方はこんな記事読んでいないで専門家に習いに行ってください。あくまでも日本語ローマ字や英語のような読み方が全てではないことを示すのが目的となっております。 ちなみに榎本は学部時代にドイツ歌曲のクラス(声楽科用)を聴講し、そのついでに第九を歌い、大学院時代もドイツ語という名のドイツ歌曲のクラスを履習しました。正直なところ、イタリア語よりドイツ語の方が慣れていると自分なりには思っています。 基本はローマ字読みと同様ですが、そうでない部分も色々あります。 【 ä / ö / ü 】 やはりパッと見て特徴的なのはウムラウトの存在でしょう。日本語のカタカナで近い音を直接書き表すのは難しいですが、頻繁に説明される発音方法があります。 ä :[ア]の口で[エ]を発音する ö :[オ]の口で[エ]を発音する ü :[ウ]の口で[イ]を発音する ä については「日本語の[エ]とほぼ同じ」などと言われることもありますし、実際にそのように指

Satoshi Enomoto
1月28日読了時間: 5分


【雑記】生成AIが描く「崩れた文字」が気持ち悪くてしょうがない
最近目にするのですが、「生成AIが作ったと思われる広告宣伝画像の中の文字(特に漢字)の形状がおかしなことになっているのが放置されたまま世に出回っていることについて大変な気持ちの悪さを感じています。それこそ普通の宣伝広告から、ネット上のバズりに力を入れる政党の支持者たちが他の政党を攻撃する目的で量産する逞造の画像や漫画調の画像まで、種類は様々です。 なるほど、最近の生成AIは文字を取り込んで出力することができるようになりつつあるのだなと思う一方、それでもたまに異形の文字が紛れ込んでいるのが目に入ります。この現象のおかげで生成AIによる画像であると区別が付くことにもなります。漢字を自力で勉強しておくことの新たなメリットでしょうかね。 しかし、僕が生成AIの描く崩れた文字に対して抱く嫌悪は、別に「字をきれいに正しく書きましょう」などという小学校の先生のような観点から来るものではありません。 まず第一には、その字の崩れ方が人間的なミスのようなものではないという点が挙げられます。日本人だって殆どの人々は当然のように漢字を書き間違えることがあるわけです

Satoshi Enomoto
1月27日読了時間: 4分


【言語】超ざっくりイタリア語発音(正確なものは他所で習ってください)
先日、イタリア語で歌う仕事を受けました。 ピアニストなのに。 正直な話、言語としてのイタリア語は殆ど喋れません。一般人が知っているレベルの単語や会話文しか知りません。ただ、高校の音楽の授業でイタリア語の歌曲はいくらか習いましたし、大学でも副科声楽で2年間イタリア歌曲を学びました。これらによって、自力で喋れない・辞書を引かなければ意味も分からないながらに、イタリア語の単語や文字列の発音だけは知っているという歪な状態を維持しています。 そんな状態の榎本ですので、本来他人にイタリア語の発音なぞ教えられたものではないのですが、完全にローマ字読みというわけではないこと、英語の読みとも異なることなどだけでも把握して興味を持っていただくべく、高校音楽の教科書レベルのイタリア語発音知識をここにまとめておきたいと思います。本当にイタリア語を頑張りたい方はこんなブログ読んでいないでさっさと専門の方に習ってください。 なお、これは方々で言っているTipsですが、高校1年生の音楽の教科書にはイタリア語・ドイツ語・フランス語のざっくりした発音解説が載っています。この

Satoshi Enomoto
1月26日読了時間: 4分


【雑記】集団で音楽をする時の曲目に対する思いはそれぞれでよいはず
来月のHarmonia Suavisの本番に向けて、そろそろ宣伝も本格的に動かさねばと考えているこの頃です。その宣伝にあたって、参加してくださっている方から「どんな風に宣伝してほしい、どんな文言を入れてほしいなどの希望はありますか?」と質問されたので「お好きなようにやってください」と返したのでした。 今回の記事はそこから考えた話です。 合唱や合奏など、複数人で演奏をする際に、その音楽作品についての共通認識・共通理解は、確かにある程度は必要でしょう。表現に大きな齟齬が生じるようでは流石にまずいでしょうから、やはり最低限の方向性は打ち合わせして合意しておく必要があります。そこから繋がって、宣伝などの時に合唱や合奏のメンバーがその音楽的合意内容をPRに組み込んでくれること自体は、企画運営側からすれば大変ありがたいことではあります。 一方で、せっかく様々な人々が合唱や合奏には集っているわけですから、各々が日々の練習、音楽作品への探究を通して、何を感じたり何を考えたり何を願ったりしているのかということにも興味があります。企画運営や指導者が何も言ってい

Satoshi Enomoto
1月21日読了時間: 3分


【YouTubeコラボ】のらクラシック部『40パートある合唱曲の楽譜を持ってきてもらった』
前回のコラボ動画の撮影時には、「初心者におすすめ」とは言えないであろう合唱曲の楽譜も持参していました。なにせのらクラシック部のこと、何かしら別の動画のネタにもしてもらえるであろうと榎本は考えまして、ダンボールを加工してケースを作って雨の中この巨大な楽譜を運んだのでした。 さて、その楽譜とは既にサムネイルに見えている通り、トマス・タリスの《Spem In Alium》です。通称「40声のモテット」のまさにスコアです。5声×8群という規模をもちまして、そのへんのオーケストラのスコアよりも段数の多い楽譜となっています。 一般における知名度は低いかもしれませんが、ルネサンス音楽に手を出したことがある人ならばいずれかのタイミングで存在を知ることになる作品であると言えるでしょう。流石に演奏経験者ともなると稀でしょうけれども、知っている人は知っているという立ち位置にあります。 僕自身は特にルネサンスに詳しいということもなく解説もできず、今回の動画は「巨大合唱曲の楽譜を見て/音楽を聴いてのリアクション動画」のようなものになっています。 動画の中では言わな

Satoshi Enomoto
1月19日読了時間: 2分


【演奏会告知】Harmonia Suavis演奏会『ピエタ 昇りゆく水 リフレイン』
2026年2月22日(日) 13:15開場 14:00開演 HARMONIA SUAVIS演奏会 〜ピエタ 昇りゆく水 リフレイン〜 演奏 HARMONIA SUAVIS合唱団&アンサンブル 指揮 葛岡美佐男 曲目 シャルパンティエ《真夜中のミサ》 髙田三郎《水のいのち》 ほか 会場 戸塚区民文化センター さくらプラザ・ホール 前売券 1,800円 当日券 2,000円 予約申込 h.suavis.t@gmail.com 「氏名」「電話番号」「郵送先住所」「チケット希望枚数」をご連絡ください。 去年から不定期的に宣伝をしていた横浜戸塚での企画合唱団Harmonia Suavisの演奏会です。1回きりの企画ですので来シーズン等はありません。合唱ならび合奏には様々な合唱団のメンバーやプロ・アマチュアの音楽家の皆様が参加してくださっています。主宰であり指揮を務める葛岡美佐男は僕の高校時代の恩師です。 榎本はというと、今回はピアノ伴奏を他のピアノ伴奏希望者に全て譲り渡しまして、一方で弾き手の現れなかったオルガンと人数不足な合唱のバスに加わっております

Satoshi Enomoto
1月1日読了時間: 2分
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