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【メモ】ラヴェル《ボレロ》とサン=サーンス《ピアノ協奏曲第5番》における倍音を重ねる書法
ラヴェルの《ボレロ》は人気作品ゆえにこれまでに何度も演奏され、それに伴って何度も解説が為されて来たことでしょう。その時に必ずと言ってよいほど、楽曲の中盤でチェレスタとホルンの主旋律にピッコロがその第3倍音と第5倍音を重ねる部分についての言及があると思われます。「パイプオルガ...

Satoshi Enomoto
5月18日読了時間: 3分
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【探訪記】代々木《春の小川》記念碑:得たものの代わりに失ったもの
高野辰之作詞、岡野貞一作曲による文部省唱歌《春の小川》。この詩のモデルとなった小川には諸説あるものの、その歌碑(記念碑)の一つが代々木にあると聞いて、実際にその場所を訪ねてみました。高野辰之が代々木に住んでいたことが理由となっているようです。...

Satoshi Enomoto
4月18日読了時間: 4分
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【演奏会告知】『象徴と時間 近代フランス音楽の開拓者たち』【2025.5.25】
榎本智史ピアノコンサート 象徴と時間 近代フランス音楽の開拓者たち 2025年5月25日(日) 13:30開場 14:00開演 会場 Space & Cafe MonTon 神奈川県横須賀市馬堀町2-2-9 M-SQUARE 1階(旧雑賀ビル)...

Satoshi Enomoto
2月17日読了時間: 3分
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【雑記】作曲家や作品という情報を暗記しようとするよりも、まずは音楽を聴いてほしい
お手元に中学校や高校の音楽の教科書がある方は読んでみていただきたいのですが、ある程度クラシック音楽の鑑賞教材が載っていると思われます。どのような楽曲を学校で鑑賞したかは人それぞれでしょうが、何か強く印象に残っている曲があるかもしれませんし、またあるいは何も印象に残っていない...

Satoshi Enomoto
2024年9月7日読了時間: 5分
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【名曲紹介】幸田延《ヴァイオリンソナタ ニ短調》:謎多き単一楽章と、瀧廉太郎の影?
今月末8/31のコンサート『ことうたこん』にて、僕は日本クラシック音楽黎明期の作曲家 幸田延(こうだ のぶ、1870-1946)の代表作の一つである《ヴァイオリンソナタ ニ短調》を演奏します。 僕の出身高校である神奈川県立横浜平沼高校の校歌を作曲したのがこの幸田延という作...

Satoshi Enomoto
2024年8月9日読了時間: 6分
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【感想】櫻井元希『旋法とヘクサコルド』ワークショップ:便利な方を選んで失ったもの
ヘクサコルドというものに興味を持ったのは、実のところ、ここ1, 2年のことです。やはりきっかけはコダーイラボで西洋音楽史を担当することになったので普段自分があまり意識を向けていない分野も総浚いで勉強し直したことでしょうか。...

Satoshi Enomoto
2023年9月1日読了時間: 7分
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【名曲紹介】モーツァルト《アダージョ ロ短調》KV540:天才の陰鬱と深淵
モーツァルトのピアノ作品と聞くと、多く思い浮かべるのは天才の筆致で書かれた軽やかで明快な音楽でしょうか。クラシックに馴染みの薄い方々でもなんとなくイメージする通り、音楽のアイデアを次から次へと考え出せるような人ではあったでしょうから、そのイメージが間違っているわけではないと...

Satoshi Enomoto
2023年5月2日読了時間: 7分
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【分析メモ】半音階の表現力
半音ずつ上行する/下行するという半音階進行は、西洋音楽史上の音楽表現において強烈な効果を何度も発揮してきました。一般にクラシックの聴衆が半音階を耳にする機会は、半音階が特に多用されるようになった19世紀ロマン派の音楽においてのものが多いでしょう。その時代にまで来ると半音階は...

Satoshi Enomoto
2023年3月29日読了時間: 7分
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【分析メモ】バロック時代の不協和音程の表現力:調和を超えて人間の表現へ
モンテヴェルディ(1567-1643)は生没年を見てもわかる通り、ルネサンス時代とバロック時代に跨がる位置にいる作曲家です。ルネサンス時代後期におけるマドリガルと、バロック時代初期におけるオペラを両方とも創作しました。 元々仕えていたマントヴァから暇を出されてしまったモンテ...

Satoshi Enomoto
2023年3月17日読了時間: 8分
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【名曲紹介】カリッシミ《イェフタ》:オラトリオの成立と、共に嘆く合唱
4/8にパルテノン多摩にて公演予定のバロック音楽を集めたコンサート『バロック=ドラマティック』は今や2ヶ月後に迫りました。バロック時代を彩る様々な作品集を前半に、カリッシミのオラトリオ《イェフタ》を後半に演奏します。 それぞれの作品ごとに一つの長い解説が書けてしまうほどの濃...

Satoshi Enomoto
2023年2月8日読了時間: 6分
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【感想】大井駿『協奏曲との邂逅』:立体的・多層的な音楽作りのために
2022年12月27日の夜は新宿ガルバホールにて、指揮者・ピアニストである大井駿さんのコンサート『協奏曲との邂逅 ~管弦楽のない協奏曲~』を聴いてきました。音楽史研究や楽曲分析による演奏解釈を武器とする大井さんのトーク付きコンサートとなったら行かないわけにはいきません。僕も...

Satoshi Enomoto
2022年12月30日読了時間: 5分
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【音楽史】同じ詩で別の歌曲を作ること:同詩異曲の楽しみ
歌モノを制作する際に、曲より先に歌詞が作られているものを「詞先」、歌詞より先に曲が作られているものを「曲先」と呼んだりします。 クラシック音楽の場合、恐らく9割9分くらいの作品が「詞先」に該当するでしょう。歌詞とは書きましたが、主にそれらは作曲されることを前提とはしない「詩...

Satoshi Enomoto
2022年12月17日読了時間: 7分
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【名曲紹介】ベートーヴェン《アデライーデ》Op.46:若き楽聖、歌の始まり
2022年12月23日(金)19:00~ 『彼方からの愛の歌』 ベートーヴェン歌曲集 1792年の11月、ヴィーンに一人の青年がやって来ました。彼こそが、後に西洋音楽史にその名を刻んだ大作曲家ベートーヴェンその人であります。一月後には22歳になるこの若者は、既にその名を轟か...

Satoshi Enomoto
2022年12月15日読了時間: 4分
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【感想】大内暢仁『オール・バロック・コンサート シュタイングレーバーの音色に乗せて』
今年に入ってからというもの、どうしても都合が合わず、我が推しクラシック音楽ユニット ResonanCe 関連のコンサートに行けないまま12月まで来てしまいました。 メンバーのうち、大内暢仁さんのコンサートの日程だけはかなり早い段階で告知されていたため、自分のコンサートを1週...

Satoshi Enomoto
2022年12月4日読了時間: 5分
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【雑記】ベートーヴェンと神童営業
ベートーヴェンの生誕250周年である2020年に予定されていた数々のベートーヴェン関連行事がコロナ禍の直撃を受けて延期・中止になり、早くも2年が経ちました。僕自身も自主企画で「よっしゃ、ベートーヴェンのソナタとかめっちゃ弾くぞ!」と意気込んでいましたが、今やソナタ計画は白紙...

Satoshi Enomoto
2022年11月25日読了時間: 3分
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