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【名曲紹介】上田真樹:組曲『夢の意味』
昨年から僕は合唱集団EARTHという企画合唱団の伴奏者を務めています。一年ごとに決めた組曲に取り組むスタイルの合唱団でして、その期ごとにメンバーを募集するという形態を採っています。なるほど、歌いたい組曲の時だけ参加するという選択肢があるわけですね。 そういうわけで、僕が伴奏を引き受けた組曲は上田真樹『夢の意味』です。この伴奏を引き受けるまでは、組曲の存在は知っていて一部の曲だけ聴いたことがある…という状態でした。僕の周りの同世代の合唱人の間では根強い人気のある曲なのではないかと思います。だからみんなもっと奮って参加してくれというのが本音ではあるのですが。 さて、合唱集団EARTHはジャンニこと鈴木智士さんの指導の下、日々練習を行っています。ジャンニさんや参加メンバーの皆さんがこの組曲についてどのような考えや思いを持っているかということは僕としても気になるところですが、ここではそれはさておいて、僕個人のこの組曲の受け止めを書いていきたいと思います。合唱集団EARTHとしての見解ではないので、その点はご承知の上でお読みください。...

Satoshi Enomoto
2024年4月11日読了時間: 8分


【演奏企画告知】『私的演奏協会Vol.2:ベルク《ピアノソナタ》Op.1』【2024.4.27】
『私的演奏協会Vol.2:ベルク《ピアノソナタ》Op.1』 2024年4月27日(土) 14:00~ / 15:30~ 各回定員15席 要予約 各回所要時間:約1時間(休憩無し) 15分前開場 会場 空音舎(京急「雑色」駅より徒歩) 入場無料 投げ銭歓迎 予約申込メール...

Satoshi Enomoto
2024年4月3日読了時間: 3分


【演奏企画告知】シェーンベルク生誕150年『私的演奏協会:3つのピアノ曲 Op.11』:直観によって音楽を捉えること【2024.3.9】
2024年3月9日(土) ① 11:00~ ② 13:15~ 15分前開場 各回1時間程度 シェーンベルク生誕150周年企画 『私的演奏協会:3つのピアノ曲 Op.11』 曲目 シェーンベルク《3つのピアノ曲》Op.11 他、関連楽曲の一部 演奏・解説 榎本智史 会場...

Satoshi Enomoto
2024年2月14日読了時間: 4分


【名曲紹介】ベートーヴェン《ピアノソナタ第24番「テレーゼ」》Op.78
ベートーヴェンのピアノソナタに関して、20番代のソナタでは恐らく第21番や第23番、第29番といった大規模なもの、が人気を集めるでしょう。その一方で、小規模な興味深いソナタも存在しています。2楽章構成のピアノソナタはハイドンにも前例がありますし、ピアノに限らなければモーツァルトも書いていますから、その楽章構成自体が特に奇妙というわけではないのですが、しかしその一曲一曲がやはりそれぞれの特色をもった作品であることは認められるでしょう。 僕は今、その中の第24番を必死に練習しているところです。演奏時間はリピートして弾いてもたった10分ほどという規模の、性格的には可愛らしい表情をもつソナタですが、いざ弾いてみると非常に繊細なコントロールと安定感を奏者に要求する作品です。2月12日に演奏することになっているわけですが、すっかり練習にかかりっきりで宣伝を効果的に展開できていないということもあり、手元の考えも交えて記事にして放流しようという次第です。 このソナタ第24番Op.78が作曲されたのは1809年のことです。前作の第23番「熱情」の作品番号がOp

Satoshi Enomoto
2024年1月9日読了時間: 6分


【楽譜販売】ジョルダーニ《Caro mio ben》1785年の出版譜に基づくピアノ伴奏編曲版
声楽を学んだことがある人のみならず、高校で音楽を選択した人さえも歌ったことがあるであろう《Caro mio ben》の知名度は言わずもがなでしょう。 曲自体は広く知られていますが、それに付随する情報や曲の内容には多くの揺れがあります。そもそも広く知られている《Caro...

Satoshi Enomoto
2023年10月4日読了時間: 4分


【出演後記】FMブルー湘南『音楽あら?カルト!』一ヶ月完走
今月9月中に5回に渡ったFMブルー湘南『音楽あら?カルト!』のマンスリー担当が終了しました! 聴いてくださった皆様、ありがとうございました。 毎週土曜日に10分間、音楽にまつわるあれこれを喋らせていただけるということで、様々な小話を挟みつつ、日常生活では殆ど電波に乗る機会は...

Satoshi Enomoto
2023年9月30日読了時間: 3分


【出演告知】FMブルー湘南『音楽あら?カルト!』9月分を榎本智史が担当します
https://yokosukafm.com/update/2023/08/9-3.html FMブルー湘南 78.5MHzにて、横須賀・三浦半島に縁のある音楽家が月替わりで音楽を紹介する番組『音楽あら?カルト!』の9月分を、榎本智史が担当することになりました!...

Satoshi Enomoto
2023年8月29日読了時間: 2分


【名曲紹介】ヴォルフ《ミケランジェロの詩による3つの歌曲》:闘う評論作曲家が最期に辿り着いた「温かい安らぎ」
フーゴ・ヴォルフ(Hugo Wolf, 1860-1903)の名前はクラシック・ファンの間ですら重要視されているわけではないでしょう。彼の重要な作品の殆どは専ら歌曲であり、他の編成の音楽作品はほぼ省みられないのが現状です。ドイツ・リートに取り組む歌手たちにとっては絶対に無視...

Satoshi Enomoto
2023年5月25日読了時間: 8分


【名曲紹介】モーツァルト《アダージョ ロ短調》KV540:天才の陰鬱と深淵
モーツァルトのピアノ作品と聞くと、多く思い浮かべるのは天才の筆致で書かれた軽やかで明快な音楽でしょうか。クラシックに馴染みの薄い方々でもなんとなくイメージする通り、音楽のアイデアを次から次へと考え出せるような人ではあったでしょうから、そのイメージが間違っているわけではないと...

Satoshi Enomoto
2023年5月2日読了時間: 7分


【音楽史】同じ詩で別の歌曲を作ること:同詩異曲の楽しみ
歌モノを制作する際に、曲より先に歌詞が作られているものを「詞先」、歌詞より先に曲が作られているものを「曲先」と呼んだりします。 クラシック音楽の場合、恐らく9割9分くらいの作品が「詞先」に該当するでしょう。歌詞とは書きましたが、主にそれらは作曲されることを前提とはしない「詩...

Satoshi Enomoto
2022年12月17日読了時間: 7分


【名曲紹介】ベートーヴェン《アデライーデ》Op.46:若き楽聖、歌の始まり
2022年12月23日(金)19:00~ 『彼方からの愛の歌』 ベートーヴェン歌曲集 1792年の11月、ヴィーンに一人の青年がやって来ました。彼こそが、後に西洋音楽史にその名を刻んだ大作曲家ベートーヴェンその人であります。一月後には22歳になるこの若者は、既にその名を轟かせていた作曲家ハイドンに師事するためにヴィーンにやって来ました。 もちろんドイツのボンにいた時からネーフェに学び、その楽才を育てていた彼ではありますが、大学をストレートで卒業する年齢でようやくヴィーンでの勉強を始めようということですから、この人は割と現代の若い音大生たちにとって親近感の湧く人物像なのではないかと思ったり思わなかったりします。 さて、ベートーヴェンはハイドンに師事するためにヴィーンにやって来たわけですが、肝心のハイドンがイギリスでヒットして多忙となり、あまりベートーヴェンを教える時間は取れなかったようです。 ではどうしたものか…といったところで、ベートーヴェンは他の教師たちに指導を仰ぐことになります。シェンクやアルブレヒツベルガーに対位法を学び、さらにはか

Satoshi Enomoto
2022年12月15日読了時間: 4分


【後記】おふらぼVol.1:作曲者を囲んで歌曲・合唱曲を歌う
作曲家・合唱指揮者である森雄太さんが主催した、作曲者をゲストに呼んでお話を聞きながらその歌曲・合唱曲を歌ってみようという企画『おふらぼ』Vol.1が、先の6/11(土)に開催されました。 僕も作曲家ゲストの一人として呼んでいただきまして、『令和』の元号が発表された時に書いた...

Satoshi Enomoto
2022年6月14日読了時間: 5分


【名曲紹介】シェーンベルク《月に憑かれたピエロ》Op.21
僕のブログで何度も登場しているシェーンベルクですが、彼の作品の中には、彼自身の経歴のみならず、西洋音楽史上でも重要な作品がいくつか存在します。既に僕が色々なところで弾いている《3つのピアノ曲》Op.11や《6つのピアノ小品》Op.19などもそれらのうちの一つではありますが、...

Satoshi Enomoto
2022年4月3日読了時間: 9分


【名曲紹介】シェーンベルク《3つのピアノ曲》Op.11:表現主義、ロマン派の継承と意識的作意の排除
シェーンベルク(1874-1951)は、出発点こそ後期ロマン派的作風でしたが、後に機能和声の放棄と十二音音楽の確立を成し遂げ、ユダヤ人としてのアイデンティティから音楽による政治参加にも踏み込んだ、西洋音楽史上でも重要な位置にいる作曲家です。 音楽的に多くのことを試みた作曲家ではありますが、その作品数は活動期間に比して意外に多くありません。最後の作品である《現代詩篇》が「Op.50c」という作品番号を持っています。ピアノが関わる曲に関しても、他の作曲家たちに比べると少ない方でしょう(…とは言っても、新ウィーン楽派として優秀な門下生であったベルクやヴェーベルンの方がもっと少ない)。 シェーンベルクのピアノ1台で演奏される曲の中でも、断片などを除いて一応は演奏会のプログラムとして入れられるであろう作品を列挙してみます。 《3つのピアノ曲(1894)》 《4手のための6つのピアノ小品》 《3つのピアノ曲》Op.11 《6つのピアノ小品》Op.19 《5つのピアノ曲》Op.23 《ピアノのための組曲》Op.25 《ピアノ曲》Op.33a 《ピアノ曲》O

Satoshi Enomoto
2022年3月2日読了時間: 7分


【名曲紹介】ファリャ《ベティカ幻想曲》:アンダルシア民族への賛歌
近代スペインの作曲家 ファリャ(Manuel de Falla, 1876-1946)の名前は、クラシックを聴いている人の中でも特にスペインやバレエ方面に興味を持たない限りは触れる機会もそこまで多くないかもしれません。決して無名な作曲家ではないのですが、そもそもスペインのクラシック自体が他国と比べて影が薄いという状況はあるように思います。確かに時代のメインストリームという立ち位置ではないでしょうし。 ファリャの生地はアンダルシア地方の町カディス。マドリードに移住してからはマドリード王立音楽院教授であったトラゴにピアノを師事し、同時期には作曲も試みていきます。 1902年から1904年にかけて、ファリャは当時のスペイン民族音楽研究の第一人者であったペドレル(Felipe Pedrell, 1841-1922)に作曲を師事しました。ペドレルはグラナドスの師でもあり、アルベニスを民族主義に引き入れた人物でもあります。ファリャの音楽における民族主義路線も、ペドレルからスペイン音楽史や民族音楽の書法を学んだことに大きな影響を受けているでしょう。...

Satoshi Enomoto
2022年2月9日読了時間: 6分
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