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  • 執筆者の写真Satoshi Enomoto

【演奏企画告知】シェーンベルク生誕150年『私的演奏協会:3つのピアノ曲 Op.11』:直観によって音楽を捉えること【2024.3.9】


2024年3月9日(土)

① 11:00~

② 13:15~

15分前開場

各回1時間程度


シェーンベルク生誕150周年企画

『私的演奏協会:3つのピアノ曲 Op.11』


曲目

シェーンベルク《3つのピアノ曲》Op.11

他、関連楽曲の一部


演奏・解説

榎本智史


会場

空音舎

東京都大田区南六郷2-5-10 サンアイランド102

京急「雑色」駅より徒歩


各回定員15席

入場無料!(投げ銭歓迎)

要予約

予約申込メール info@virtuoso3104.com

当ホームページCONTACTからの申し込みも可


 

 第一次世界大戦後、シェーンベルクは門下生で後に音楽学者となるエルヴィン・ラッツの提案により、会員制の公開リハーサル会を企画します。人々が当時の最新の音楽に丁寧に触れる機会として機能したこの企画は「私的演奏協会」と呼ばれ、シェーンベルク一門の作品のみならず、ヨーロッパ各国の主要な最新の音楽が紹介されました。


 シェーンベルクの生誕150年にあたる今年は、その私的演奏協会のような企画をやってみたいと思います。没後からも70年以上経ち、著作権も切れたのにも関わらず、未だにシェーンベルクの音楽は「現代音楽」などと呼ばれてクラシックの聴衆からは敬遠されがちです。


 確かに19世紀の音楽と比べて、20世紀初頭に位置するシェーンベルクの音楽は複雑さを増していることは事実でしょう。耳がその音楽を受け止められるようになるには相応の時間と体験を要するであろうことは理解できます。


 それならば、聴く機会を設けて何度でも聴けばよいではないか!という考えに一周回って至りました。


 「クラシックに親しんでもらうため」として多くの音楽家が様々な工夫を考えていることは承知しています。しかしたとえ既に人気の高いプログラムを詰め込んだり、面白可笑しい文章を書いたりしたところで、聴き手にシェーンベルクのような音楽に直観的に接近してもらえることは望めないのではないか…という思いが燻っていました。


 考えてみれば当然の話ですが、音楽体験はその音楽を耳で聴きその空気を体で体感することによって成るものであって、プログラムや文章などはそのアシストの役割でしかないと思います。作曲家のエピソードを紹介して重ねること自体ではなく、その音楽を聴くことまで辿り着いてようやくその人の音楽体験となるのです。


 特にシェーンベルクのような音楽ともなると、恐らく「聴く」という行為を通す以外に馴染む方法はほぼ皆無ではないかと思います。無調だの十二音技法だのと聞くと「頭でっかちの晦渋な音楽」というイメージを持つ人も少なくないでしょう。しかし僕自身が演奏してみて感じたことと言えば、むしろシェーンベルクの音楽は頭脳による受け止めを拒否し、直観によってようやく捉えることができる音楽ではないかということです。


 僕でさえ、シェーンベルクの音楽の楽譜を読み始めた最初の時点では謎だらけです。これは一体何なのかと疑問符が溢れるほどです。ところがしばらく練習して数日経つと、理由はまるで説明できないというのに「確かにそうだ」「確かにそういう音楽だ」という感触が生まれるのです。


 ソナタを聴こうと思ったらソナタ形式をざっくりと知っていた方がよいでしょうし、オペラアリアを聴こうと思ったらオペラの粗筋説明は不可避でしょう。シェーンベルクのピアノ曲はそのような前知識がむしろ全く要らないのです。そんなことよりも、その音楽を聴くリアルタイムの中で自分の中にどのような感覚・感触・感情が発生するかということを体感することが重要であると思います。


 

 というわけで、当日はただ一度通して演奏して終わり…などという形ではなく、部分ごとにわけて何度でも弾きます。「もう一回そこ弾いて!」というリクエストがあれば、時間が許す限り弾きます。声部ごとにも弾きますし、テンポを落としても弾きます。和音を抜き出して弾くこともするかもしれません。いずれにせよ、聴きに来てくださった皆様がシェーンベルクの音楽を体感できるようにあらゆる工夫を凝らすつもりです。


 音楽的な耳は音楽を聴くことによってのみ育ちます。音楽家は社会の人々の耳を育てて拓いていかねばなりません。それまで聴こえなかった世界を聴こえるようにするという使命を負っているわけです。この企画たった一日で全てが変わるとは思っていませんし、10年単位で少しずつ変われば上出来だと思います。今回はその計画の最初の一歩です。


 予習は必要ありません。音楽の教科書も置いてきてください。和音の知識もいっぺん忘れましょうか。その場で響く音楽をただただ味わおうとすれば、あなたの耳は新しい世界を拓くと思います。


 赤字スタートの入場無料でお送りしますが、投げ銭は大歓迎します。収益が出てくれれば頻繁に開催できますからね!

 ご予約は上記のメールアドレスか、当ホームページのCONTACTからお申し込みください。その際に、午前の回(11:00開始)か午後の回(13:15開始)かというご指定もお願いします。

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