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【メモ】ラヴェル《ボレロ》とサン=サーンス《ピアノ協奏曲第5番》における倍音を重ねる書法
ラヴェルの《ボレロ》は人気作品ゆえにこれまでに何度も演奏され、それに伴って何度も解説が為されて来たことでしょう。その時に必ずと言ってよいほど、楽曲の中盤でチェレスタとホルンの主旋律にピッコロがその第3倍音と第5倍音を重ねる部分についての言及があると思われます。「パイプオルガ...

Satoshi Enomoto
5月18日読了時間: 3分


【雑記】五線譜に近似される音楽:音楽が這った軌跡を想像する
最近は今月末の近代フランス音楽のコンサートへ向けての練習に加えて、来月の湘南合唱祭へ向けても間宮芳生の合唱曲を練習しています。 練習している間宮芳生の《合唱のためのエチュード》は日本を含む世界の民族音楽の要素を採り入れた合唱曲集であり、同氏の《合唱のためのコンポジション》...

Satoshi Enomoto
5月10日読了時間: 9分


【名曲紹介】ホルスト《セント・ポール組曲》:旋法と反復と民謡が織り成す学習用組曲?
作曲家ホルスト(Gustav Holst, 1874-1934)と言えば、一般に知られている作品は代表作である《惑星》ほぼ一作というのが現状でしょう。ここに、弦楽を嗜む人の場合は《セント・ポール組曲》、吹奏楽を嗜む人の場合は《吹奏楽のための組曲第1番》《同第2番》が続くこと...

Satoshi Enomoto
4月8日読了時間: 6分


【メモ】ラヴェルのピアノ作品の低音域問題
僕は学生時代にはラヴェル作品を《マ・メール・ロワ》しか弾いておらず、そもそもフランスものを比較的避けてきていました。例外はフランクとドビュッシーとサティの有名どころ程度のものです。ようやく最近になって一念発起してラヴェルの《ソナチネ》を弾いてみたら意外と楽しかったもので、引...

Satoshi Enomoto
2月14日読了時間: 5分


【名曲紹介】シェーンベルク《6つのピアノ小品》Op.19:「私の音楽は短くなければならない!」
シェーンベルクは 《3つのピアノ曲》Op.11 の特に第3曲において、可能な限りの論理的作為をキャンセルすべく、形式を持たない、楽想ごとの激しいコントラストによる音楽構成を試みました。この試みについて、シェーンベルクはブゾーニへの手紙を送っています。...

Satoshi Enomoto
2024年10月12日読了時間: 7分


【ソルフェージュ・雑記】階名は「全ての調をハ長調/イ短調に移高する」考え方ではない:固定ド認識に由来する階名への誤解
階名によるソルフェージュ訓練の重要性を主張する時に、いわゆる固定ド(ドレミシラブルの音名用法)の主張者が階名に対する批判を述べてくれることがあります。ただその中には、階名認識者の側すらも前提にしていない観点を例に挙げて批判を展開するものもありまして、それについては階名側から...

Satoshi Enomoto
2024年9月1日読了時間: 5分


【分析メモ】シェーンベルクが行った十二音音列の恣意的な操作と、それによって生み出される擬似的な機能和声
10/19のリサイタル に向けて、シェーンベルクとその周辺の作品を主に練習していて、耳が馴染んできたからか、より色々な要素が聴こえるようになってきたので共有しておきたいと思います。 シェーンベルクがおよそ10年に渡る長い沈黙を破り、十二音による作曲法を実践する形で書いた最...

Satoshi Enomoto
2024年8月26日読了時間: 3分


【演奏告知】私的演奏協会Vol.4『ヴェーベルン』【2024.9.8】
2024年9月8日(日) ① 13:45開場 14:00開演 ② 15:15開場 15:30開演 私的演奏協会Vol.4『ヴェーベルン』 会場 空音舎 東京都大田区南六郷2-5-10サンアイランド102 京浜急行「雑色」より徒歩 入場無料(投げ銭歓迎) 曲目 ヴェーベルン...

Satoshi Enomoto
2024年7月24日読了時間: 3分


【雑記・音楽理論】音楽の要素の「何故」と「何」を考えること:ベルク《夜》を例に
音楽家、特にクラシックの演奏家たちが、自分の演奏する曲の楽譜に形式や和音記号を書き込んで「楽曲分析」や「和声分析」などと言っているのを見ることがあります。あるいは演奏会のMCで、楽曲がソナタ形式でできているだの、全音音階を使っているだのということをPRするのを見ることもあり...

Satoshi Enomoto
2024年4月4日読了時間: 3分


【分析メモ】全音音階の構成音を全て鳴らした和音はドミナントの機能を担える
唐突な話題ですが、全音音階という音階があります。 皆様に親しみのある長旋法ドレミファソラティドと短旋法ラティドレミファソラなどは、簡略化すれば全音と半音の音程の順列で構成されています(実際には全音の種類、半音の種類でも区別あり)。全音音階はオクターヴ間を全音の音程だけで構成...

Satoshi Enomoto
2024年2月27日読了時間: 2分


【雑記・音楽理論】NHK大河『風林火山』OPテーマから学んだ跳躍音程のエネルギー
今ではすっかりTV自体を観なくなってしまいましたが、中学生~高校生の頃はNHKの大河ドラマをよく観ていました。特に僕は日本史に詳しかったわけではないのですが、主に父と末弟が興味をもって観ていたのです。僕の興味はやはりそのドラマに付いている音楽の方に向かいました。後になってか...

Satoshi Enomoto
2023年10月28日読了時間: 3分


【雑記・分析メモ】山田耕筰《曼珠沙華》の跛行リズムにはテヌートが付いている
依頼されて山田耕筰の《曼珠沙華》(読みは「ひがんばな」)の伴奏をすることになっています。山田耕筰の歌曲の中では有名な曲の一つですから、もちろん曲の存在は知っていますし、大学1年生の時にアンサンブルの授業で譜読みだけした記憶があります。...

Satoshi Enomoto
2023年10月20日読了時間: 2分


【名曲紹介】モーツァルト《アダージョ ロ短調》KV540:天才の陰鬱と深淵
モーツァルトのピアノ作品と聞くと、多く思い浮かべるのは天才の筆致で書かれた軽やかで明快な音楽でしょうか。クラシックに馴染みの薄い方々でもなんとなくイメージする通り、音楽のアイデアを次から次へと考え出せるような人ではあったでしょうから、そのイメージが間違っているわけではないと...

Satoshi Enomoto
2023年5月2日読了時間: 7分


【分析メモ】半音階の表現力
半音ずつ上行する/下行するという半音階進行は、西洋音楽史上の音楽表現において強烈な効果を何度も発揮してきました。一般にクラシックの聴衆が半音階を耳にする機会は、半音階が特に多用されるようになった19世紀ロマン派の音楽においてのものが多いでしょう。その時代にまで来ると半音階は...

Satoshi Enomoto
2023年3月29日読了時間: 7分


【分析メモ】バロック時代の不協和音程の表現力:調和を超えて人間の表現へ
モンテヴェルディ(1567-1643)は生没年を見てもわかる通り、ルネサンス時代とバロック時代に跨がる位置にいる作曲家です。ルネサンス時代後期におけるマドリガルと、バロック時代初期におけるオペラを両方とも創作しました。 元々仕えていたマントヴァから暇を出されてしまったモンテ...

Satoshi Enomoto
2023年3月17日読了時間: 8分
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