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  • 執筆者の写真Satoshi Enomoto

【雑記】体質の変化とピアノ椅子の高さ

更新日:2023年3月17日


 ここ半年ほど、自分のピアノの演奏が妙に安定感を失っているという悩みがあります。


 このようなことは今までに殆ど無かったほどであり、強いて言うならば大学の最初の方でピアノを弾く体勢を大きく変える直前が次点にくる程度です。正直その時よりも悪いと感じます。


 半年前にあった出来事と言えばCDのレコーディングです。てっきりレコーディングをした=固定された演奏音源を残したということによる精神的重圧によってこの不調は起こっていたのではないか…と考えていました。



 ところが、です。実はここ半年で起こった大きな出来事はもう一つありました。端的に言えば太ったのです。元々が痩せていたのでシルエットへの影響は地味なのですが、着実に衣装のスーツがキツくなっています。


 自慢ではありませんが、29歳までは殆ど20歳の時の体型を保っていました。大学院修了直後の1年間だけは昼の仕事のための夜作業を連日行っていたためか不健康太りをしたのですが、その後は戻っていたのです。


 これは運動しなければ…などと呑気に考えていましたが、もしかするとこの体質・体型の変化がピアノを弾く時の体勢に影響しているのではないかという考えに思い当たりました。


 そういえば、これまでにはピアノ椅子は他の人より低いとは言っても一番下まで落とすことはありませんでしたが、やはりこの半年間は一番下まで下げて弾いています。昨年12月に行ったシェーンベルクのコンサートでは「もっと低く下がる椅子はありませんか?」と聞いたシーンさえありました。

 どこもかしこも下限が高い椅子ばかりで困るなぁ、などと考えていたことはありましたが…僕の身体がさらにより低い椅子を求めるようになったという可能性については今まで考えていませんでした。問題はもうそれらの椅子はその下限の高さより下に下げることができないということです。いよいよパイプ椅子デビューの時なのでしょうか。


 なるほど、確かに自分の身体は加齢によって変わっていくのに、若い時と全く同じ方法で同じように弾けるとは限らないでしょう。観念して新たな弾き方を模索するしかありません。実際に歳を取ってみないとわからない身体感覚があるということを痛感しました。

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