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  • 執筆者の写真Satoshi Enomoto

【演奏会告知】中林嘉愛&榎本智史『おとなつこん -初夏と歌曲-』【2024.5.25-26】

更新日:3月2日



『おとなつこん -初夏と歌曲-』


出演

中林嘉愛(Sop.)

榎本智史(Pf.)


曲目

モーツァルト《踊れ、喜べ、幸いなる魂よ》KV165

モーツァルト《ジーグ》KV574

ベルク《7つの初期の歌》

ベルク《ピアノソナタ》Op.1

カゼッラ《1300年代の3つの歌》

團伊玖磨《抒情歌》

團伊玖磨《紫陽花》

千原英喜《良寛の二つの歌》


【横須賀公演】

2024年5月25日(土)

13:30開場 14:00開演

会場 スペースアンドカフェ モントン

横須賀市馬堀町2-2-9 雑賀ビル(M-SQUARE)1階

入場料 3,600円

紅茶orコーヒー、お菓子付き


【川崎公演】

2024年5月26日(日)

  13:30開場 14:00開演

会場 カフェ ド シュロ

  川崎市多摩区西生田1-20-1

入場料 3,600円

  コーヒー、お菓子付き


予約申し込み

info@virtuoso3104.com (榎本智史)



 

 超重量級プログラムだったバレンタインコンサートを終えて肩の荷が下りたのも束の間、5月末にやはりソプラノの中林嘉愛さんと初夏の歌曲コンサートを開催することとなりました。


 バレンタインコンサートが終わる前の時点で中林から「5月にカフェ ド シュロでコンサートをやる」という話があり、伴奏を引き受けたわけですが、やはりどうしても川崎市多摩区でのコンサートには地元横須賀の人たちを呼びづらい(電車で2時間)という事情もあり、「同じ内容を横須賀でもやらんか?」と提案したことによって神奈川県の南端と北端での2公演となりました。


 

 今回はオペラアリアは無しで、基本的に歌曲プログラムとなります。モーツァルトが10代の時に書いた宗教曲《踊れ、喜べ、幸いなる魂よ》と晩年の奇妙なピアノ曲《ジーグ》、ベルクが若い頃に書いた《7つの初期の歌》と出世作《ピアノソナタ》、古い時代の音楽を研究したカゼッラによる《1300年代の3つの歌》、そして横須賀に深く縁があり今年で生誕100周年を迎えた團伊玖磨の歌曲などをお送りします。


 やはり榎本がピアノを担当するとなると真っ先に注目していただきたいのはベルクの作品でしょうか。《7つの初期の歌》の一部は学生時代にも中林&榎本コンビで演奏していまして、10年越しの伏線回収となります。《ピアノソナタ》は僕が修士演奏で弾いた曲であり、この曲によって今の僕の音楽の方向性が決まったと言っても過言ではありません。いずれも幻想的な、夢か現かが曖昧になるような空気を纏った作品です。


 皆様はモーツァルトに対しては「シンプルな美しさ」のようなイメージを持っていらっしゃるかもしれません。しかしこのモーツァルトという人は実際にはいくらでも複雑な音楽を作ることができる作曲家でして、その一つの極端な例がこちらの《ジーグ》となります。ジーグというのは舞曲の一種ですが、モーツァルトのそれは一般的なジーグとはかけ離れた屈折したリズムと、さらには目まぐるしい転調を含みます。とあるフレーズでは12音が全て出揃うことから、「ウィーン古典派よりむしろ新ウィーン楽派に近い」と、100年以上後の20世紀の音楽との類似性を示しているという驚愕の小品となっております。


 團伊玖磨の名前を知らない横須賀市民はいないでしょう。横須賀市の中でも秋谷という相模湾側の陸の果てのようなところに住んでいた、日本が誇る大作曲家の一人です。毎年演奏される《組曲『横須賀』》も《横須賀市歌》も團先生の作品ですね。ついでに言えば僕の地元の小学校の校歌を作曲したのも團先生でして、人生で初めて「作曲家」だと僕が認識した作曲家はモーツァルトでもベートーヴェンでもなく團伊玖磨でありました。今回は抒情的な3曲から成るその名の通りの《抒情歌》と、夏へ向かう時季にピッタリな代表作《紫陽花》をお送りします。


 フライヤーに載せた他にももう少しだけプログラムの追加がありますが、それは後々告知していきます。


 

 上記の予約先にはKI企画(中林)と榎本のアドレスを並べて書いてありまして、どちらに申し込んでも大丈夫ではありますが、横須賀公演は榎本に、川崎公演はKI企画に申し込んでいただけるとこちらの集客分業ができて楽だったりします。


 普段のコンサートよりも料金がお高めかもしれませんが、お飲み物とお菓子が付きます。モントンではコーヒーか紅茶を選べます。


 初夏もどうぞよろしくお願いします。

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