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【名曲紹介】モーツァルト《アダージョ ロ短調》KV540:天才の陰鬱と深淵
モーツァルトのピアノ作品と聞くと、多く思い浮かべるのは天才の筆致で書かれた軽やかで明快な音楽でしょうか。クラシックに馴染みの薄い方々でもなんとなくイメージする通り、音楽のアイデアを次から次へと考え出せるような人ではあったでしょうから、そのイメージが間違っているわけではないと...

Satoshi Enomoto
2023年5月2日読了時間: 7分


【演奏会告知】赤木恭平 & 榎本智史 『深淵なる重低音の世界』【2023年6月17日】
4月はバロック時代のオペラを多数お届けしましたが、次は6月に19世紀ロマン派の情念渦巻く歌曲、オペラ、ピアノ曲をお届けします。 2023年6月17日(土) 14:00開場 14:30開演 赤木恭平 & 榎本智史 『深淵なる重低音の世界』 会場 ソフィアザール・サロン...

Satoshi Enomoto
2023年4月12日読了時間: 4分


【コンサート後記】『バロック=ドラマティック』:人間の歪みを肯定する音楽
KI企画公演『バロック=ドラマティック』は終演致しました。ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。 決して僕や出演メンバーはバロック音楽を専門分野にしている音楽家たちであるというわけではありませんでした。普段も演奏しているのは古典派以降でしょう。公演としても、特...

Satoshi Enomoto
2023年4月11日読了時間: 3分


【分析メモ】半音階の表現力
半音ずつ上行する/下行するという半音階進行は、西洋音楽史上の音楽表現において強烈な効果を何度も発揮してきました。一般にクラシックの聴衆が半音階を耳にする機会は、半音階が特に多用されるようになった19世紀ロマン派の音楽においてのものが多いでしょう。その時代にまで来ると半音階は...

Satoshi Enomoto
2023年3月29日読了時間: 7分


【分析メモ】バロック時代の不協和音程の表現力:調和を超えて人間の表現へ
モンテヴェルディ(1567-1643)は生没年を見てもわかる通り、ルネサンス時代とバロック時代に跨がる位置にいる作曲家です。ルネサンス時代後期におけるマドリガルと、バロック時代初期におけるオペラを両方とも創作しました。 元々仕えていたマントヴァから暇を出されてしまったモンテ...

Satoshi Enomoto
2023年3月17日読了時間: 8分


【分析メモ】ラッパを使わずにラッパが鳴る音楽【カリッシミ、ヘンデル】
管弦楽法は習わなかった上に詳しくないという有様でこのタイプの話題を書くことは気が引けるのですが、意識してみると面白い観点ではあると思うので書きたいと思います。 基音に対してその整数倍の周波数をもつ音のことを倍音と言います。その倍音の周波数が基音の周波数のn倍になる時、その倍...

Satoshi Enomoto
2023年3月16日読了時間: 5分


【雑記】体質の変化とピアノ椅子の高さ
ここ半年ほど、自分のピアノの演奏が妙に安定感を失っているという悩みがあります。 このようなことは今までに殆ど無かったほどであり、強いて言うならば大学の最初の方でピアノを弾く体勢を大きく変える直前が次点にくる程度です。正直その時よりも悪いと感じます。...

Satoshi Enomoto
2023年3月15日読了時間: 2分


【分析メモ】シェーンベルクの十二音による作曲法は「十二音を順序を決めて均等に使用する」ものであるか?①【《5つのピアノ曲》Op.23よりワルツ】
巷ではいわゆる"十二音技法"について、「十二音を順序を決めて均等に使用する(そのことによって調性を破壊する)」と説明されることが多いようです。 一口に"十二音音楽"と言いましても、新ヴィーン楽派の中でさえシェーンベルク、ヴェーベルン、ベルクの十二音の運用への意識はそれぞれ異...

Satoshi Enomoto
2023年3月14日読了時間: 4分


【分析メモ】言葉を反復することによる強調表現【カリッシミ、ヘンデル】
「大事なことなので2回言いました」という文言があります。一方で、僕はあまり聞いたことがないのですが「大事なことなので一度しか言いません」という文言もあるそうです。どうでもいいことは大抵一度言って終わりなのですから、大事なことを同じ扱いにしてはいけないだろうと思いますし、僕は...

Satoshi Enomoto
2023年3月13日読了時間: 3分


【感想】『Lutherヒロシ市村 生配信 Studio Live Vol.3』
3/12の夕方から行われたLutherヒロシ市村先生の配信ライヴを観ましたので、その感想を書いていきたいと思います。 オープニングはピアノの伊藤那実さんのソロによる、森雄太さんのピアノソロ小品《三元豚のねぎ塩豚カルビ弁当(麦飯)に寄す》でした。タイトルが未だに覚えられません...

Satoshi Enomoto
2023年3月13日読了時間: 4分


【名曲紹介】カリッシミ《イェフタ》:オラトリオの成立と、共に嘆く合唱
4/8にパルテノン多摩にて公演予定のバロック音楽を集めたコンサート『バロック=ドラマティック』は今や2ヶ月後に迫りました。バロック時代を彩る様々な作品集を前半に、カリッシミのオラトリオ《イェフタ》を後半に演奏します。 それぞれの作品ごとに一つの長い解説が書けてしまうほどの濃...

Satoshi Enomoto
2023年2月8日読了時間: 6分


【雑記】決まった音楽を再現しようとするとドツボに嵌まる?
ここ数日珍しく落ち込んでいます。というのも、久々に音楽で大転倒をやらかしたことを引き摺っていました。 昨年末の地獄のような本番ラッシュを終え、新年からは少し余裕をもって演奏に取り組めるぞ!と思っていたのです。実際に充分な時間も確保できましたし、練習自体も捗っていたと言ってよ...

Satoshi Enomoto
2023年1月19日読了時間: 3分


【雑記】J.S.バッハ愛憎諸々
ピアノ弾きの中にはJ.S.バッハの音楽を「退屈」であると感じる人も存在するようです。このことは決して非難されるべきことではないと思いますし、それどころかその事情を僕はある程度理解できる気がします。 というのも、僕自身も長らくバッハの音楽のどこが面白いのかをわからずにいたので...

Satoshi Enomoto
2023年1月12日読了時間: 5分


【演奏会告知】『バロック=ドラマティック/カリッシミ《イェフタ》』:本当は熱いバロック音楽【2023年4月8日(土)】
2022年の一般公開のコンサートは全て終演致しました。足を運んでくださった皆様、本当にありがとうございました。 既に2023年のコンサート開催情報もいくつか公開を始めておりますが、中でも4月には特に大きな自主企画公演を行うことになりましたので、この記事ではそれについて書かせ...

Satoshi Enomoto
2022年12月31日読了時間: 5分


【感想】大井駿『協奏曲との邂逅』:立体的・多層的な音楽作りのために
2022年12月27日の夜は新宿ガルバホールにて、指揮者・ピアニストである大井駿さんのコンサート『協奏曲との邂逅 ~管弦楽のない協奏曲~』を聴いてきました。音楽史研究や楽曲分析による演奏解釈を武器とする大井さんのトーク付きコンサートとなったら行かないわけにはいきません。僕も...

Satoshi Enomoto
2022年12月30日読了時間: 5分
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