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【言語】超ざっくりドイツ語発音(正確なものは他所で習ってください)

  • 執筆者の写真: Satoshi Enomoto
    Satoshi Enomoto
  • 3 時間前
  • 読了時間: 5分

 超ざっくり外国語発音第二弾ということで、ドイツ語を持ってきました。前回のイタリア語の記事と同様、本当に丁寧に正確に学習したい方はこんな記事読んでいないで専門家に習いに行ってください。あくまでも日本語ローマ字や英語のような読み方が全てではないことを示すのが目的となっております。


 ちなみに榎本は学部時代にドイツ歌曲のクラス(声楽科用)を聴講し、そのついでに第九を歌い、大学院時代もドイツ語という名のドイツ歌曲のクラスを履習しました。正直なところ、イタリア語よりドイツ語の方が慣れていると自分なりには思っています。



 基本はローマ字読みと同様ですが、そうでない部分も色々あります。


【 ä / ö / ü 】


 やはりパッと見て特徴的なのはウムラウトの存在でしょう。日本語のカタカナで近い音を直接書き表すのは難しいですが、頻繁に説明される発音方法があります。


ä :[ア]の口で[エ]を発音する

ö :[オ]の口で[エ]を発音する

ü :[ウ]の口で[イ]を発音する


 ä については「日本語の[エ]とほぼ同じ」などと言われることもありますし、実際にそのように指導されたこともありました。


 僕が主軸として研究している作曲家であるシェーンベルクの名前の綴りはSchönbergですから、この[ェ]の部分が日本語のそれではないことは理解していただけると思います。


 ドイツ語にとっての外来語で、y が ü の発音で読まれることがあります。合唱をやっている方はピンとくるかもしれない、第九に出てくる Elysium などですね。



【 ei / eu / ie 】


 二重母音の中には、ローマ字の字面とは異なる読みのものがあります。


ei :[アイ]

eu :[オイ]

ie :[イー]


 ちなみに äu という綴りは eu と同じ扱いとなるため、やはり読みは[オイ]です。



【 ß 】


 もう一つドイツ語ならではの文字として ß が挙げられるでしょう。普通は小文字しか出てきませんが、最近大文字 ẞ が認められたそうです。「エスツェット」という名称で、szの合字であることがその由来です。発音としては ss 、濁らない s 音を表します。「s は普通濁らないのでは?」と思ったそこのあなたはもうしばしお待ちください。


 余談ですが、この ß が β(ベータ)で書かれてしまっているのをたまに見かけます。流石に違う文字ですので、ぜひご確認を。外国の方々が日本語の似ている文字を間違えて使うことがあるのと同様、日本人も似ている外国語の文字が識別できていないかもしれませんよ。



【 s 】


 さて、厄介な s の発音についてです。


 まず、母音の前にある s は[ズ]と濁ります。Musik[ムズィーク]、Sohn[ゾーン]のような具合ですね。


 一方で、それ以外の位置にある s は濁りません。Bus[ブス]、Wasser[ヴァッサー]という具合です。


 ところが、この法則を適用すると、「母音の前にある s を濁らせたくない時」の表記に悩むことになります。それを解決してくれるのが、前項の ß であるわけです。「〜という名前である(〜と呼ばれる)」という意味の heißen[ハイセン]あたりがよく見られる例ですね。



【 j 】


 j は[ヤ]行で発音されます。人名のJohannの読み方は[ヨハン]ですね。y が用いられるのは外来語と考えてよいでしょう。



【 r 】


 子音としての r は喉で鳴らします。近年の口語のドイツ語の r の発音はフランス語の r っぽいと聞きますが、r を巻き舌で発音する地域もあるようです。母音の後の r は母音化して[アー]などのようになります。



【 v / w 】


 このあたりが日本語や英語の感覚に反してくるところでしょうか。例外もありますが、単刀直入に表記しますと、


v :濁らず[フ]:英語の f

w :濁って[ヴ]:英語の v


 …のようになります。オーストリアの首都 Wien は[ヴィーン]ですね。



【 z 】


 先程 s は濁っていましたが、z は濁らず[ツ]のようになります。



【 b / d / g の清音化】


 b / d / g は語末にある場合は濁りません。Land[ラント]、Berg[ベルク]などといったようになります。b については語末でなくとも、後に s, t, f などの文字が続く場合は濁りません。Habsburg は[ハプスブルク]ですね。


 なお、語末の g は[ク]ではなく[ヒ]と読む場合もあります。Königsberg は[ケーニヒスベルク]と、g が[ヒ][ク]両方のパターンで現れています。これの余談で、前世紀半ばにおける「現代音楽」の作曲家を紹介する本邦の書籍の中でSchönberg[シェーンベルク]が「シェーンベルヒ」と書かれているのを見たことがあります…こういうこともあるので調べましょう…



【 sch / tsch 】


 sch は[シュ]、tsch は[チュ]のようになります。Schubert[シューベルト]、Schumann[シューマン]、Nietsche[ニーチェ]など、様々な有名な人物の名前で見覚えがあるかもしれません。



【 sp / st 】


 また s 絡みですが、sp は[シュプ]、st は[シュトゥ]のようになります。今度は s が[シュ]になってしまうわけですね。こちらも Strauss[シュトラウス]や Stockhausen[シュトックハウゼン]などで見覚えがあるでしょうか。



【 ch 】


 ch は主には無性音の[ハ]行の音になります。ich[イッヒ]や Bach[バッハ]などが挙げられるでしょうか。


 しかしそればかりではなく、例えば「キツネ」を表す Fuchs は[フックス]となります。[ク]と読む場合もあるわけですね。「6」を表す sechs に至っては概ね[ゼクス]だと思うものの、[ゼヒス]と発音している例を見たことがあります。これはそのような地域があるのか、詳しく調べないと何とも言えないところです。



 ここに書かなかった例もいくらかありますが、それらについてはなんとなく読み方の予想がつくであろうという判断によるものです。日本語とも英語ともイタリア語とも異なる読み方・発音の感覚があることだけなんとなく知っていただければ充分です。元よりこんなブログを読んだ程度で学べることなど少ないものです。


 ちなみに、この話を書く発端となった高校音楽の教科書には、あとフランス語のざっくりした発音も掲載されています。しかしイタリア語とドイツ語のように当ブログが取り上げて解説するつもりはありません。なぜなら誰にも教わったことも無ければ、自分も喋ったり歌ったりという形で使ったことが無いからです。ざっくり程度の体感すら無い言語について説明することはできません。期待しないでください。


 まあ、上記の諸々を知っているだけでも、第九の歌詞くらいはなんとなく読めると思われます。興味が湧きましたら学んでみてください。

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