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【演奏会告知】『幻想と告別 ─ 抽象のドラマツルギー』【2026.11.23】

  • 執筆者の写真: Satoshi Enomoto
    Satoshi Enomoto
  • 7月17日
  • 読了時間: 4分

榎本智史ピアノリサイタル

『幻想と告別 ─ 抽象のドラマツルギー』


2026年11月23日(月)

① 10:30開場 11:00開演

② 13:30開場 14:00開演

(各回休憩あり1時間30分程度)


ピアノ演奏

榎本智史


会場

Space&Cafe MonTon

神奈川県横須賀市馬堀町2-2-9

M-SQUARE 1階


入場料

一般 3,500円

学生 2,500円

(コーヒーor紅茶付き)


曲目

ベートーヴェン

《ピアノソナタ第13番『幻想曲風ソナタ』》Op.27-1

《ピアノソナタ第14番『幻想曲風ソナタ(月光)』》Op.27-2

《ピアノソナタ第22番》Op.54

《ピアノソナタ第26番『告別』》Op.81a


予約申込・問い合わせ

メールアドレス info@virtuoso3104.com

または当ホームページCONTACTより



 来年はベートーヴェン没後200年です。2020年、即ちベートーヴェン生誕250年の時にも、連作歌曲《遥かなる恋人に寄す》Op.98を上演しましたが、やはりベートーヴェンが僕にとって大きな存在であることは今もなお変わりません。


 一人のピアニストとして、来年もベートーヴェンの企画を何かやりたいと思っていますが、そのプレ・アニヴァーサリーとして今年のうちに先にベートーヴェンに着手しておいても良いだろうと判断し、一応有名曲でもある《ピアノソナタ第13番『幻想曲風ソナタ』》、《同第14番『幻想曲風ソナタ(月光)』》、《同第26番『告別』》を主として演奏するコンサートを企画しました。「今年はソロやらない」って言ったのにね。


 世間一般に言う所謂3大ソナタ(悲愴、月光、熱情)みたいなプログラムはやらないのか?と聞かれそうですが、その括りは単に「人気の高い聴き映えのするカッコいい3曲」であって、特に3曲に共通する音楽観を提示できる並べ方であるとは個人的には思えません。


 一方で所謂「月光ソナタ」をこのタイミングで人前で演奏しようと思ったのは、現時点での「この表現が欲しい」というアイデアを自覚できているからです。しかもそれは第13番と併せた《2つの幻想曲風ソナタ》としての表現です。悲愴よりも熱情よりも、第14番の姉妹作と捉えられる第13番が選ばれることは僕の中では当然のことでした。


 第13番及び第14番という《2つの幻想曲風ソナタ》は、恐らく同一の実験上に成立していると考えられます。この2つのソナタを並べることによってこそ、単独で散々演奏されてきたであろう「月光ソナタ」の『幻想曲風ソナタ』としての姿が浮かび上がると信じています。


 メインプログラムに置いたのは《ピアノソナタ第26番『告別』》です。ベートーヴェン自身が副題を付けたピアノソナタは『悲愴』と『告別』の2曲だけですね。ベートーヴェンのソナタの中でもこの『告別』を好む方は決して少なくないのではないでしょうか。かく言う榎本は、ベートーヴェンのピアノソナタの中で『告別』を最も好んでいます。


 『告別』は、各楽章に副題が付いているという点で同時代の他のピアノソナタからも少し差別化されており、この試みはロマン派を先取りするものでしょう。確かに『告別』→『不在』→『再会』という一連のストーリー(戦争によるルドルフ大公との離別と再会という実際の出来事)を感じさせるような音楽の表情を持っていますが、個人的には「ソナタ形式の崩壊と再建」という脈絡も見出せる作品であると考えています。


 この《2つの幻想曲風ソナタ》と《『告別』ソナタ》を、いずれも従来の典型的なソナタのモデルを超克し、形式や構成の工夫から新たなソナタの文脈を作り上げた非常に意義のある作品であると僕は捉えています。このベートーヴェンの工夫を、ソナタという抽象的な作品形態における作劇術であると捉え、『抽象のドラマツルギー』というコンサートタイトルを付けました。


 そしてチラシまで刷ったわけですが……いよいよ本告知という段階に来て、もう少しだけ欲が出てきました。


 《ピアノソナタ第22番》Op.54という作品があります。《第21番「ヴァルトシュタイン」》と《第23番「熱情」》という大作に挟まれた、「2楽章構成のソナタかどうかもわからないソナタ」として知られる(そもそもあまり知られていない)ソナタです。


 このソナタをいずれ弾こう、具体的には来年のベートーヴェンイヤーに弾こうと計画していたのですが、よく考えてみると、この《第22番》という副題無きソナタは今回のコンサートテーマに合致するソナタであるように思えてきたのです。このソナタがどのように捉えられるかという点については既にブログの名曲紹介記事でも(大変に勝手な解釈で)書きましたが、まさに音楽形式による抽象的ドラマ仕立てであると指摘することができるでしょう。


 この4曲のソナタで純粋な演奏時間は1時間ほど、休憩やMCを入れて1時間半程度でしょう。リサイタルとしてはややコンパクトかもしれません。会場は各回25席定員としつつ、一日2回公演を行います。遠方の方は横須賀観光も兼ねておいでください。


 共にベートーヴェンのソナタのドラマツルギーを味わえれば幸いです。どうぞよろしくお願いします。

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© 2018 Satoshi Enomoto

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