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【楽譜販売】ホルスト《セント・ポール組曲》2台ピアノ編曲

  • 執筆者の写真: Satoshi Enomoto
    Satoshi Enomoto
  • 4月2日
  • 読了時間: 2分





【BOOTH】

ホルスト《セント・ポール組曲》2台ピアノ編曲


【Piascore】

Holst《St.Paul's Suite》2台ピアノ編曲



 

 世間では主に《組曲『惑星』》によってその名が知られているであろうホルストの、弦楽合奏のための《セント・ポール組曲》を2台のピアノのために編曲しました。


 この組曲については本来はピアノが演奏に関わる機会は無いため、個人的には曲の存在を知っていてかつ部分的に聴いたことがあるという程度の認識でした。具体的には第1曲「ジーグ」と第4曲「ダーガソン」のみ知っていました。前者は旋法が印象的な音楽ですし、後者は同じくホルストの《吹奏楽のための第2組曲》の終曲の転用であり、ダーガソンと《グリーンスリーヴス》がポリリズムで並走するという興味深い作品です。


 ある日たまたまこの《セント・ポール組曲》の第2曲「オスティナート」を耳にし、そのミニマル・ミュージックのような展開に魅力を感じ、これはぜひピアノでやりたい、もうどうせなら全曲編曲してしまおう!と思った結果がこれです。


 当初は2台ピアノではなく連弾ピアノで書けないものかと考えたのですが、どうやら既に連弾編曲(作曲者自身のものではない)は作られているようでしたし、原曲の時点で音域が重なるパートが多いという実情も見られましたので、演奏コストはかかるもののストレス少なく思いきり弾けるのは2台ピアノの方であると早い段階で判断しました。


 《セント・ポール組曲》はホルストがセント・ポール女学校に勤めていた時の作品です。防音室を設けてもらった返礼のために作曲したと聞きますが、生徒たちが演奏することは想定していたと思われます。全楽章に及ぶ反復書法、旋法の変化、ポリリズムや対位書法など、音楽教材としても取り扱える要素がふんだんに盛り込まれています。ピアノの技能練習になる箇所が無いわけでもありません。


 弦楽合奏で演奏するよりもこの2台ピアノで演奏する方が演奏者一人分のプレッシャーは大きいかもしれませんし、物理的な演奏難度もそれなりに高いと思います。各楽章間に繋がりのある組曲ではありませんし、単曲を取り出して演奏しても何ら不具合は無いでしょうから、ぜひ1曲ずつでもチャレンジしていただけたらと思います。

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