忙しさに長らくブログ更新が途絶えていましたが、ここでコンサートの宣伝です。
11/23(土) 18:30開場 19:00開演 青唱ユースの集い @茅ヶ崎市民文化会館小ホール 入場無料 出演 みるふぃーゆ松林 合唱団DIO 合唱団AKO-AG ユース松林 プログラム 全体合唱:松下耕《ほらね、》 合唱団DIO: 榎本智史《時に、初春の令月にして、》 榎本智史《はなび》 信長貴富《新しい歌》 他… 神奈川県で活動する若手の4つの合唱団が一堂に会して歌います。僕は合唱団DIOの一員として出演します。ピアノ伴奏だけでなく歌も歌います。
以下、合唱団DIOとしてのプログラムです。
《時に、初春の令月にして、》は令和という元号が発表された時にTwitter合唱界隈で流行った作曲企画に便乗したものです。雅っぽく、しかし現代的に…というコンセプトを目指し、拍子を撤廃し、6音音階のメロディを書きました。今回の演奏は実は初演ではなく、先立って長野県は小諸市で小諸ハーモニーさん(指揮は森雄太さん)が歌ってくださったのが初演です。しかし、僕自身の所属する合唱団で、かつSATBの混声4部ではなく「女声+テナー+バリトン+バス」という変則編成で演奏するのは初です。
《はなび》は2016年に書き、その翌年夏に東京都合唱祭で初演した曲です。作詞は合唱団DIOのメンバーである折笠誠くん。「メンバーの少ないDIOでも歌える夏っぽい合唱曲が欲しい!」という話になって「オリジナル合唱曲でも作ろうか」と提案したところ、その2日後くらいには折笠くんが詩を寄越してきたのでした。実は無伴奏混声合唱のための《はなび》と混声合唱とピアノのための《花火》というセットなのですが、後者はピアノの存在感が大きく大人数向けのものなので、今回は《はなび》のみを演奏します。
そして信長貴富《新しい歌》もやります。今回は男声版を歌います。というのも、僕が伴奏に行ってしまってパートバランスが悪くなるのと、女声陣がアルト寄りであることを理由にした判断です。音を省いたりはしていないので遜色は無いと思います。
合唱団DIOのオリジナル曲と「新しい歌」。結果的にではありますが、新しい合唱を作っていこうというテーマのプログラムではないでしょうか。
他の3団体もそれぞれの特色を出したステージを作ってくれるでしょう。“若者の合唱離れ”なんてのもあると噂で聞いたこともありますが、ではそんな若者がどんな合唱をやるか、その目に焼き付けに来てください。 ところで…
この“合唱団DIO”という集団について説明するためには僕の合唱経歴を話さねばなりません。長い長い余談ですので、その話に興味がある奇特な方のみどうぞ。
合唱を始めたのは高校生の時だ。
高校に入学した時点で、僕はピアノで音大に行きたいと思っていた。母校である横浜平沼高校には練習室があり、放課後にはそこでピアノを練習しているのが日課だった。
ある日突然部屋に入ってきた先輩に声を掛けられた。「合唱部の伴奏をしてほしい」ということだった。伴奏もピアノの良い経験になるだろうと思った僕はそれを承諾し、合唱部の伴奏者になった。
ところがそこで、合唱部はアカペラをやることになる。混声6部合唱だった。歌う部員は5人。男声が一人足りない。
…こうして伴奏者は、バリトンを歌うことになったのである。
そこから僕は合唱に転がっていった。高文連の合同合唱団にも失恋の勢いで参加し(実話)、他校の合唱部の生徒たちと出会い、さらには特に仲良くなった高校の合唱部と組んで合唱祭にも参加した。
おそらく、“ピアノ”という一人で完結してしまう楽器を長くやってきたからこそ、一人一人が魂を声に乗せて合わせようとする“合唱”という音楽に新鮮さを感じたのだろう。事実、精神的不調でピアノが弾けなくなった僕を音楽に繋ぎ留めたのは合唱だった。合唱をやっていなかったら音楽自体をやめていた可能性すらあったかもしれない。
高校3年生での合唱部引退と音大受験の多忙によって僕の合唱生活は一区切りした。
…はずだった。
大学生になった4月1日に「エイプリルフールではありません(笑)」という文言と共に送られてきた一斉送信メール。差出人は他校の合唱部にいた友人。
「新しい合唱団を作ります」
…それが合唱団DIOの始まりである。それぞれ違う地域の学校で合唱をしていたみんなが、まだ自分たちの手で合唱を続けたいという思いで集まって、この合唱団は生まれた。
DIOは“Do It Ourselves (自分たちでやる)”の略である。一人の指導者についていくのではなく、自分たちで歌っていく。延々と遠回りをしながら、じっくりと音楽をぶつけあう。これこそが僕らのやり方だ。一石を投じる音楽ができたらいいなぁと思う。
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