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執筆者の写真Satoshi Enomoto

【演奏会告知】ホルン・トリオ・コンサート

更新日:2021年9月1日

9/1追記


本公演は開催延期となりました。

振り替え公演日程が決定しましたら改めて告知させていただきます。

どうぞよろしくお願いします。


 

 コロナの感染拡大も第5波が到来し、再び発令された緊急事態宣言も空しく先の冬のようなレベルの新規感染者を出しながら、翻ってオリンピックが始まりましたが、皆様息災でしょうか。


 このところ色々な本番の告知が1ヶ月前など、集客期間がなり短期間になってしまっていました。要するには感染拡大状況と緊急事態宣言の様子を窺い、大っぴらに宣伝することを躊躇してきたからなのですが、そろそろこちらの躊躇も緩んできました


 そんなわけで、榎本にしては却って珍しい内容のコンサートを告知させていただきます。もう早くも秋の話をします。



(フライヤー:神山亜季)


ホルン・トリオ・コンサート


2021年10月17日(日)

14:30開演

(14:15開場、16:00終演予定)


会場 Le Salon de Clavier

JR田端駅より徒歩5分

詳しい住所は予約者にお伝えします。


入場料 3,000円

全席自由、25席

(本来の定員の半数)

投げ銭歓迎


出演

神山亜季(ホルン)

尾崎杏奈(ヴァイオリン)

榎本智史(ピアノ)


曲目


イザイ

《無伴奏ヴァイオリンソナタ 》Op.27-3


ブラームス=ハイフェッツ

《瞑想曲》


フランツ

《無言歌》Op.2


フランク=デームス

《前奏曲、フーガと変奏曲》Op.18


ブラームス

《ホルン三重奏曲》Op.40


予約・問い合わせ

Contactページより


 

 最近共演しているホルンの神山さんの呼び掛けで、ホルントリオをすることになりました。新しくユニットを組んだとかではなく、特設アンサンブルのつもりです。


 実はこの歳にして、自分がホルントリオをやるのは初めてです。学生時代に友人がライネッケのトリオ(こちらはクラリネット、ホルン、ピアノという編成)をやっていたところに邪魔をしに行ったりはしていたのですが、やはり僕は器楽よりも歌とのアンサンブルの方が主だったのでなかなか機会に恵まれなかったのです。


 今回の企画をLINEでやり取りしながら、まずはメインのプログラムを決めました。僕もこの編成でそこまで色々な曲を知っているわけではなく…というかブラームスとリゲティ以外に心当たりが無かった中で、ホルンとヴァイオリンの二人が「ブラームスやりたい!」と提案しましたので、そりゃあリゲティを10月までにやるのは無理があろうかと思われますし、ならばブラームスが妥当だろうと合意した次第です。


 ブラームスの《ホルン三重奏曲》Op.40は、ヴァイオリン、ホルン、ピアノという編成の作品の中では最も名の知れた作品でしょう。1865年の作曲で、ブラームス32歳の年です。なるほど、僕も30歳が秒読みですし、そろそろ挑戦しておいてもいい頃合いでしょうか。


 実は学生時代に一応、ブラームスの《ピアノソナタ第1番》Op.1 を全楽章通して勉強しまして、しかし時間の都合上から学内試験で弾いたのは第1楽章と第4楽章のみでした(ちなみにこの2つの楽章は同じテーマを持っており、並べることによってそのことに気付かせることができます)


 そのピアノの技巧の達者ぶりには驚嘆したものです。込み入った転調やフレーズ、入り組んだクロスリズムと拍子感、体の重心を活かした瞬間的な大きな跳躍などといった特徴は、《ホルン三重奏曲》の中でも充分に存在しています。ブラームスは自分がそれだけ弾けるからそのような音楽を平然と作るわけですが、後世のピアニストたちは苦労するのであります。


 まだ実は楽譜を読み切っておりません。分析などの曲の話はまた別の記事などの形で後々書いていきたいと思います。


 

 もう一点、今回のコンサートは前半にソロ枠を各々10分ほど設けました。一応は演奏したい曲を自由にやっていいよ!ということで相談していたのですが、自然とブラームスの同時代近辺に全員集まりました。今回は空気を読みます。


 そんなわけで今回榎本が弾くのはフランクの《前奏曲、フーガと変奏曲》です。元々オルガンの作品ですが、色々な人が編曲しているので、ピアノで弾かれることは少なくないのではないでしょうか。


 フランクはフランスで活躍しましたが、音楽の方向性は構成を重視したドイツ寄りのものです。ブラームスの音楽が割と渋めということもあるので、フランクで耳を馴らしておいてからブラームスに誘導しようという魂胆で選びました。


 共演の二人が選んだ曲も、渋くはないメロディックな作品です。前半は気楽に、後半は腰を据えて聴いていただけると、それぞれ味わえるものが多いのではないでしょうか。


 

 共演の二人を紹介…といきたいところなのですが、ヴァイオリンの尾崎さんは今回が初めましてである上になんとリアルではまだお会いしておりません。ここまでのやり取りは全てLINE上です。これが時代か。


 というわけで、ホルンの神山亜季さんだけ紹介しておきましょう。近頃僕が矢鱈とホルンの伴奏をしているなぁと思っている人はちらほらいらっしゃると思いますが、そのヒンデミットやグリエールやケクランの伴奏を頼んできているのがこの神山さんです。後期ロマン派を含む近現代フリークコンビでここまで月1ペースで本番やっておりますが、今回はブラームスまで体力を温存するためにソロは小粒です。ちなみに今回の企画の言い出しっぺであり、フライヤーもデザインしてくれました。


 

 フライヤー上では神山さんに予約申し込みということになっておりますが、榎本のところでも承っております。当HPのCONTACTフォーム、TwitterのDM、FacebookのMessengerなど、いずれでも可です。


 距離を取るために定員は半数に削減されておりまして、全25席となります。また私的なサロンであるため、詳しいアクセスは予約者のみにお伝えすることになります。つまり予約必須で当日券はありません。


 ブラームスの《ホルン三重奏曲》は僕にとってもかなり大きな挑戦になります。学生時代に苦戦したブラームスを、今どこまで乗りこなすことができるか、見届けていただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

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