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【楽譜販売】リセンコ《タラス・ブルバ》序曲 ピアノ2台8手編曲

  • 執筆者の写真: Satoshi Enomoto
    Satoshi Enomoto
  • 2月9日
  • 読了時間: 3分


【BOOTH】

リセンコ 歌劇《タラス・ブルバ》序曲 ピアノ2台8手編曲


【Piascore】

リセンコ《タラス・ブルバ》序曲 ピアノ2台8手編曲 (ミコラ・リセンコ) / 中〜上級



 ウクライナの作曲家ミコラ・リセンコは、CDアルバム『ウクライナのピアノ作品集』の中で榎本が担当した作曲家です。最近もたまに演奏していたりはしたのですが、実は昨年からチマチマと編曲を進めていました。それがこのオペラ《タラス・ブルバ》序曲のピアノ2台8手のための編曲です。


 きっかけは至ってシンプルです。僕は昨年3月に来日したオデーサ国立歌劇場オーケストラの神奈川公演を聴きに行きました。この曲自体を僕は以前から知っていましたが、その公演を聴いて、ウクライナのオーケストラがこの曲を非常に大切にしているであろうことを感じました。彼ら彼女らにとってのテーマソングのような立ち位置なのでしょう。


 これをオケではなく、迫力はそのままに可能な限り手軽な編成で演奏できるようにしたいと思いました。幸い、序曲のスコアは手に入ります。あとはこれをどのようにパート配分するかという問題でした。


 ピアノ独奏は物理的に無理がありました。腕の技術がどうこうという話ではなく、省くことになる音が多くて音楽が薄くなってしまうと思われました。


 次に連弾を考えました。実はこれならば割と手軽にできます。現に連弾アレンジは既に存在していて、しかもそこまで迫力を損なっていません。実際のところはアレンジと言っても、既存のヴォーカル・スコアを連弾で手分けして弾いているような具合です。


 しかしそれでも、複数のパートの音域が重なる部分などはどうしてもカットが入ります。そこで、オケで鳴っている音楽をなるべく残すためには2台8手が良いと判断することになりました。折しも、間宮芳生がベートーヴェンの《交響曲第5番》を2台6手に編曲していることを知り、それも編曲へのモチベーションとなりました。


 どんな曲であるかは説明するより聴いていただいた方が早いでしょう。



 リセンコはウクライナの民謡を収集していたわけですが、この序曲にも民謡が引用されているようです。このオペラに惚れ込んだチャイコフスキーがロシアでの上演を計画するも、ウクライナ語ではなくロシア語に翻訳しての上演であったことを理由にリセンコが断ったというエピソードが、ウクライナに対するリセンコの並々ならぬこだわりを感じさせるところです。


 ところで、ピアノ2台8手ともなると、A4サイズに収めるにはどうしても組段が小さくなってしまいます。タブレットで見るなら余計に小さくなってしまって、もはやスコアを読みながら弾くのは難しいでしょう。そんなわけで、ピアノⅠ&ⅡとⅢ&Ⅳに分けた連弾パート譜も作りました。


 ピアノ2台8手という編曲ですが、必要であれば指揮者を立ててもよいかもしれません。なにせセクションごとのテンポ変化を疎通するのが物理的に難しい可能性があります。


 あるいは楽器が用意できるのであればピアノ4台でやってみても面白いかもしれません。音の重複や手の交差といった煩わしさを避けつつ存分に弾けるでしょう。その際に音を足しても迫力が出ます。


 ピアノ2台8手という大きめの編成ですし、演奏の手間もそれなりにかかりますが、演奏者はリセンコの強烈な抒情性を存分に味わうことができるでしょう。ぜひチャレンジしていただければと思います。

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© 2018 Satoshi Enomoto

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