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執筆者の写真Satoshi Enomoto

演奏会告知:歌謡曲によるミュージカル?

 歌というものは一曲あたりの演奏時間の都合上、一貫性のあるプログラムが組みづらいのではないかと感じることがあります。オペラをまるっと上演するなり連作歌曲をぶっ通すなりすればそれなりの演奏時間にはなるのですが、単独の歌曲やオペラアリアを抜き出して詰め合わせるアラカルト形式のプログラムの場合、どうしてもその脈絡を通すために頭を捻らねばなりません。美味しいとこ取りを可能にする一方で、演奏会としての主張が漠然としてしまう危険性を孕んでいることは心に留めておいて損は無いでしょう。

 と、ここで声楽ユニット DEVTTARE の佐々木典先輩がアイデアを持ってきました。色々なオペラのアリアを抜き出してきて、それらを並べて新しい文脈のオペラを再構成するという試みがあるらしいのです。その名も“オペラ三昧”。なるほど。それなら上手く構成すれば、たとえ曲目が「美味しいオペラアリアの選り抜き詰め合わせ!」としか言えないようなラインナップでも一貫性を持たせることができるでしょう。

 というわけで今回榎本が伴奏を務めさせていただく企画はこちら。

 


2019年6月16日(日)

13:00開場 13:30開演

DEVTTARE 3rd Concert 創作ポップミュージカル《Tomorrow》

@京浜楽器 MOUZA YURIGAOKA(小田急「百合丘」駅より徒歩3分)

全席自由2,500円

曲目:ミュージカル《アニー》より

   ミュージカル《マンマ・ミーア!》より 他

予約・問い合わせ:devttare@gmail.com またはContactページより榎本へ

 

 創作ポップミュージカルと銘打ちつつ、別にオリジナル曲が出てくるわけではないのですが…厳密に言うなれば「オペラ三昧」ならぬ「歌謡曲三昧」でしょうか。ミュージカルナンバー、J-POP等を、オリジナルストーリーの上で DEVTTARE が歌います。オペラ三昧にしなかったのは「オペラアリアに詳しくない人でも聴きに来やすいように」ということだろうと思うわけですが、確かにこの演奏方式には「途中で解説を挟めない」という弱点があるのですよね。それを考えると、一度目の試みという観点からしてもある意味適切な判断かもしれません。ターゲットにしている客層も、クラシック愛好家というよりはもっと広く一般向けでしょう。とりあえず「それぞれ独立した歌をストーリーで繋ぐ」という試みの一例として意義があるのではないでしょうか。タイトルの『Tomorrow』はミュージカル《アニー》の例のナンバーですが、一番の聴きどころはこの歌に込められた登場人物たちの心情かなと、関係者目線では考えております。

 ちなみに、伴奏はコード奏やら移調やらアドリブやらのオンパレードです。僕は軽音楽をやっていたことがあるのですが、まさかその経験がこういうタイミングで活きるとは、などと独り思っています。クラシックを一切弾かない本番も珍しいですが、どうぞよろしくお願いします。

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