さて、2月の本番ラッシュが終わりつつあります(公開の演奏は終わったが非公開の本番はある)。ここでそろそろ次の宣伝をしてもよい頃合いでしょう。
お待たせしました、自主企画です!
日時:2019年4月21日(日)
13:30開場 14:00開演
会場:武蔵小杉サロンホール
(昭和音楽大学附属音楽・バレエ教室武蔵小杉校内)
チケット:全席自由 3,000円
曲目:バラード第2番(リスト)
野外にて(バルトーク)
パッサカリアとフーガ『失楽園』(野中拓人)
即興曲『セシル・テイラーを讃えて』(榎本智史)
幻想曲(シューベルト) 他...
予約・問い合わせ:virtuoso3104@gmail.com または Contactフォームより
昭和音楽大学の同期であり、リスト音楽院にも留学して昨年2月に帰国した野中拓人くんとのデュオリサイタル、第2弾です!
前回は思い付きでやったものだったので、特にユニットという形ではありませんでした。曲目もほぼそれぞれの持ち寄りでしたし… しかし、今回こそはちゃんとユニットとして名前も考え、コンセプトをもったリサイタルとなっています!
その名も“állati kettös”、ハンガリー語で「2匹の獣」、転じて「すげぇ2匹」という意味です(笑) あんまり音楽用語で名前を付けると既存のユニットと名前が被りそうだし、「野中は犬好き(厳密には狼)、榎本は猫好き」というところから銘打ちました。
さて、このリサイタルのコンセプトは「コンポーザー・ピアニストたちのピアニズム」です。プログラムにはピアニストとしても活躍した作曲家たちの作品を並べます。
現代では、自分で作曲して自分で演奏するピアニストは、全くいないわけではないにせよ、殆どいないと言っていいでしょう。作曲家は曲を書き、ピアニストはピアノを弾くという、分業が進んできた時代であるわけです。極端な話、一部の人には「作曲なんかしてないでピアノに専念しろよ」なんて言われたこともありましたね…(根にもっている)
しかし、そのような分業が始まる前の時代には、作曲家は演奏家を兼ねるのがむしろ当然でした。その中でも作曲家とピアニストを兼ねる存在、つまりコンポーザー・ピアニストという音楽家たちが存在します。彼らは自分で作曲し、自分でピアノを弾きます。つまり“自作自演”です。コンポーザー・ピアニストたちは、自分で弾くことを前提に曲を書くのです。なので、彼らの作品はピアノに対する各々の考えを強く反映しています。このリサイタルを通してそれを俯瞰し、歴史上のコンポーザー・ピアニストたちが何を考えてピアノ作品を書いたのかを解き明かし、そしてその末裔である僕たちはピアノによって何ができるのかを考えて試みていきたいと思います!
リストの《バラード第2番》とバルトークの《野外にて》というハンガリー出身の2人の代表作に加え、イギリスやアメリカで活躍したグレインジャーが編曲した《ロンドンデリーの歌》や、ピアニストのレジェンドとして名を残すリパッティがハスキルに献呈した《夜想曲》、さらには野中と榎本による自作自演もあります。連弾はシューベルト晩年の傑作である《幻想曲》。そんなに凄いピアニストであったというわけでもないのになぜシューベルト?と思うかもしれませんが、来てみればちゃんとわかります。
きっとどんな人が来ても楽しめる内容だとは思いますが、主にこのリサイタルがターゲットとしているのは「ピアニストが書いたピアノ作品に興味がある人」でしょう。
リストはどんなことを考えてピアノに臨んだのだろう?
バルトークはどんなことを考えてピアノを扱ったのだろう?
そして現代に生きる僕たちはピアノで一体何ができるのだろう?
そんなことを僕らなりに提示できるリサイタルにしていきたいと思います。ピアノのための音楽とそこに託された“思い”に少しでも興味がありましたら、ぜひ聴きに来ていただけると嬉しいです。
ちなみに、野中くんが自作自演する曲の楽譜販売も行う予定です。浄書は僕が担当しました。ぜひお手に取っていただけると幸いです。チケット予約はメールや当サイトのContactフォーム、またはTwtterのDMやチラシの電話番号でも受け付けております。どうぞよろしくお願いします。
Comentários