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  • 執筆者の写真Satoshi Enomoto

【雑記】『芋づる式読書MAP』をやってみた

 一応、読書量は多い方…という自負もあるので、岩波書店さんが出している『芋づる式読書MAP』を書いてみました!

 散々「本棚が足りない!」アピールもしていますからね、この企画に便乗したくらいでバチは当たりますまい。


 自分の読んだ本をただ挙げていくだけではなく、それらを関連付けていくというものです。「自分は乱読だから~」と感じている人でも、いざ書き出してみると自分の読書の方向性を分析できたり、どんな経路を通ってその本に辿り着いたかを俯瞰できたりします。


 MAP内にもやり方説明は書いてありますが、一応文面にも引用しておきます。


1.四角の中に、「はじまりの本」を書く。

2.芋の中に、つながる本を書く。

3.芋づるでつなぐ!


 というわけで、3時間くらいかけて書いた、榎本的『芋づる式読書MAP』がこちら。



 …うん、だいぶ偏ってね?


 大学院出て以来、給料を音楽書と楽譜にばかり投入する生活を送ってきましたからね…いつの間にやらその他の本を押し退ける量になってきたのは仕方ありますまい。


 音楽書を抜いて考えても、好みが特定の分野に集中している状態であることを白状してもいいくらいでしょう。公開するならなるべく多様性があった方が良いだろうとかなり意図的にピックアップしたはずが、結果的にあんまりばらけている気がしませんね。


 とりあえず、音楽書以外の本を中心に一部をざっと紹介しておきましょうか。


『銀河鉄道の夜』

 これは間違いなく父親の影響によるものです。小学生の時だったか、父親が『銀河鉄道の夜』のアニメ映画を出してきたことがあって、それを観てストーリーは知っていたのです。中学生の時に塾の帰りに書店に寄り始めたわけですが、その時にたまたま見つけて買った…あたりが「自発的に本を買った」最初だったかもしれません。


『寺山修司少女詩集』

 合唱をやっている人なら、僕が寺山修司にハマった原因はすぐにピンと来るはずです。そう、信長貴富の《ヒスイ》です。「なんていい曲なんだ!」という感動もさることながら、その詩に興味を惹かれたのでした。

 当時、僕は高校生で、横浜に通っていました。寄り道候補は3つ。ヤマハ、タワーレコード、そして有隣堂です。有隣堂という書店の名前は神奈川県周辺の人たちしか知らないかもしれませんが、横浜駅の地下街に広大なスペースを持つ書店なのです。

 ここで寺山修司の本を検索し、詩のみならず短歌やエッセイや戯曲なんかも書いていることも知りつつ、とりあえず詩集を購入したのでした。これを発端に、興味を持った詩集を片っ端から買っては読んでいく詩集の乱読などという暴挙を榎本は始めたのでした。


『自分の中に毒を持て』

 岡本太郎の存在も自分の中では非常に大きいですね。やはり芸術に悩み始めた高校生の頃に買ったものだと思います。

 この本に限らず、岡本太郎の思想には勇気付けられることが多かったですし、今でも榎本智史の価値観の支えの一つとなっています。そうそう、高校生の時には岡本太郎の絵を題材に作曲を試みたりもしていましたね…


『黒猫・アッシャー家の崩壊』

 新潮文庫から出ているポー短編集のⅠ巻(ゴシック編)です。元は新潮文庫ではない『アッシャー家の崩壊』を買ったのですが、これが手元に見当たらず、おそらく誰かに貸してそのままになっているのではないかと思います…

 高校の現代文の授業で原民喜の文章の中で『アッシャー家の崩壊』を比喩に出す箇所があったのではなかったかと記憶していますが、なんだそれはと思って有隣堂に走ったのがエドガー・アラン・ポーとの出会いだったわけです。この後、『赤き死の仮面』『モルグ街の殺人』『黄金虫』など他のポー作品沼にズブズブと沈んだ結果がこれです。ちなみに『アッシャー家の崩壊』には『幽鬼の宮』という詩が登場しますが、しっかり詩集も手に入れることになりましたね。


『天使と悪魔』

 皆様ご存じの『ダ・ヴィンチ・コード』のシリーズです。結局シリーズ全部揃えてしまいました。

 別に秘密結社に入りたいとか陰謀論を支持しているとかいうことはないのですけれど、どうしてもこの類を土台にしたフィクションには萌える傾向があります。暗号とか大好きですからね、結局。


『ビリチスの唄』

 ピエール・ルイスが古代ギリシャの女流詩人ビリティスの詩を訳した…という設定のルイスの創作です。ドビュッシーがこれを題材に作品を書いていますね。《6つの古代の碑銘》を弾いた時にはもう絶版で手に入らなかったのですが、昨年たまたま立ち寄った古書店に置いてあり、即座に購入したのでした。所有書籍の中でもたぶん激レア。


『セラフィタ』

 男性からは女性に見え、女性からは男性に見える天使の昇天までの話。シェーンベルクが事あるごとに引き合いに出してくる本です。カンタータ化も考えていたらしいですね。この本に関連してスヴェーデンボリの神秘主義思想の本に手を出そうか考えているのは内緒。


『フィネガンズ・ウェイク』

 日本三大奇書ってあるじゃないですか。あれらよりずっと奇書。僕が持っているのは洋書ではなく柳瀬尚紀訳ですが、読んで理解する以前に読むこと自体が割と困難です。

 そんなものをなぜ買ったのかというと、高校時代の担任(化学)にこの本の存在を教えられ、音楽の方面でもちらほら名前を聞いていたからです。どうやら化学でも音楽でも注目される書物らしい…という好奇心で手に入れ、見事に言語の常識を爆砕されました。

 ぶっちゃけほとんど読めているとは言い難いですが、今後の人生で突然活かせる機会が出てくるかもしれない…などと思いながらたまに開きます。


 

 今の自分を形作っている本、これからの自分を形作るかもしれない本、色々な本が僕の横には積まれています。基本的に興味がある本は買っちゃう主義でして、それが何の役に立つかということはあんまり考えていません。ただ、血肉にはなるだろうと思っています。


 将来的に書籍や楽譜やCDなんかを全部収納できる資料室が欲しいなぁ…などと妄想してみたり。

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