• Satoshi Enomoto

【雑記】『よく訊かれるクラシックピアニストあるある』というのを見たので

『よく訊かれるクラシックピアニストあるある』というQ&Aラインナップを見たので、自分の場合の答えを考えてみました。念のため、他人の答えを否定するつもりはありません。ただ、別の答えを持ち合わせているピアニストもいるという事実を知っていても損ではないでしょう。




「作曲するんですか?」


 します。中学生の時にラフマニノフの自作自演の録音を聴いて「自分で作曲して演奏できたら楽しそうだなあ!」と思ったことから見様見真似で始めました。誰かに師事して本格的に習ったことはありません。ちなみに、類は友を呼ぶのか、僕の周りに "作曲もするピアニスト" は比較的多いように感じます。特に仕事にまではしなくとも、作曲の経験によって他の作曲家がどのような思考回路で音楽を書いているかという視点を持つことができますから、簡単なものでもよいので作曲を試みることをおすすめします。



「絶対音感あるんですか?(机バンバン)」


 ありません。「ピアノなのに珍しいね」とは言われます。日頃主張しているような相対音感訓練を受けたからではなく、単に身に付かなかっただけです。「歌の伴奏を無断で半音上げられても気付かない」「聴音したものを(誤って)別の調で書き起こす」などは実際にやりました。音高記憶はなんとなく持っているはずなのですが、日によって長2度程度の誤差があります。机を叩いた音の高さを当てることは出来ませんが、音程は聴き取れるので家電製品と声でハモることができます。



「カラオケ上手いんですか?」


 上手いかどうかはさておき、歌うのは好きです。合唱団のメンバーと一緒に行くと勝手にハモリを付けてくる人がいたりして楽しいですよ。僕の観測範囲内では、ピアノを弾く人たちに関しては、声を出して歌うことが好きな人と好きでない人がだいぶ分かれる印象があります。



「あれ弾いてよ!ジャジャジャジャーン」


 いいよ! \ジャジャジャジャーン/ ピアノ曲でなくともクラシック曲でなくとも、弾いてよと言われたら弾く傾向にあります。耳コピもできますのでなんなりと。



「手の間のとこ切るんでしょ?」


 たまに聞く話ではありますが、さすがに切りはしないと思います。湯船で指の間を拡げるストレッチみたいなことは一時期やっていましたが、効果があるかどうかはわかりません。ちなみに音大同期の男子の中では僕が一番手が小さかったはずです。



「クラシックとか寝ちゃう」


 白状すると、僕自身も演奏や楽曲の如何によっては寝ないこともないです。特に「音楽の流れを等閑にしてでも全ての音を間違い無く当てよう」という思惑がある音楽はその推進力の乏しさ・停滞感ゆえに音楽に引き込まれにくいとは思います。寝てしまうかどうかは「クラシック音楽が」ということよりも演奏の方に依存するかなと。



「今でも練習するんですか?」


 新しい曲をどんどん読んでいくと今までに持ち合わせていない発想や技術が求められるシーンも出てきますので、これまでに練習したことだけでこなそうとすると限界が見えたりするものです。「クラシック名曲集」などと銘打って月並みなプログラムしか弾かないようならそれでやっていけるかもしれませんが、それでは個性が乏しいでしょう。



「正装しなきゃなんでしょ?」


 社交の場であったこともある手前、そういう場合もあることは否定しません。ただ、現代日本でそのような場合はだいぶ稀でしょう。僕の関わるコンサートには基本的に普段着でどうぞ。最近は僕の方もスーツではない格好で弾いています。



「どこで弾いてるの?駅ピアノ?」


 コンサートとイベント(合唱祭など)が殆どです。ストリートピアノは一般の人たちにどんどん触れてほしいので、誰も弾く人がいない時にだけ触るようにしています。今はコロナ禍でコンサートが潰れていっているところですが、ぜひ可能な限りコンサートの会場に足を運んでいただきたいと思っています。



「弾き語りできる?」


 できます。ライヴやオープンマイクでたまに披露しています。もしかすると近日中に目にすることになる人がいるかも←



「グランドピアノあるの?」


 大抵驚かれるのですけれど、持っていないんですよこれが。一度もグランドを所持したことは無く、現時点でなお20万円で買った中古アップライトで練習しています。ピアニストをやっていくのに不利な部分はあるのだろうなとは思いますが、演奏を聴いてそこまで遜色は無いでしょう…?



「好きなこと一日できていいですね」


 現時点で一日埋まるほどの演奏仕事が無いのです。むしろもっと弾かせてください。ただ、一日中ピアノに向かっているというわけでもなく、音楽書を読んだり、ピアノ無しで楽譜を読んだり、ソルフェージュ(教える方ではなく、自分が)したりする時間を意図的に設けています。あまり弾きまくるのも良くないかもしれないと最近思いまして。



 どちらかと言えば、あまり世間の持つピアニストのイメージではないかもしれません。僕は早期ピアノ教育を徹底的に叩き込まれた人間というわけではなく、加えてクラシック・ピアノ以外の音楽(伝統音楽、軽音楽、合唱など)をかなり寄り道しています。むしろ周囲のピアニストではない音楽家仲間たちの方がピアノ歴自体は長かったりするくらいです。


 一言に「ピアニスト」と言っても誰もが同じようにピアノを弾くわけではなく、各々の特性や性分にはかなりの差があります。どんな音楽を知っていて、どのように音楽に取り組んでいるか。演奏家ごとにそれを聴き比べてみるのも一つの楽しみと言えるでしょう。

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