Satoshi Enomoto4月3日9 分【名曲紹介】シェーンベルク《月に憑かれたピエロ》Op.21僕のブログで何度も登場しているシェーンベルクですが、彼の作品の中には、彼自身の経歴のみならず、西洋音楽史上でも重要な作品がいくつか存在します。既に僕が色々なところで弾いている《3つのピアノ曲》Op.11や《6つのピアノ小品》Op.19などもそれらのうちの一つではありますが、...
Satoshi Enomoto3月2日6 分【名曲紹介】シェーンベルク《3つのピアノ曲》Op.11:表現主義、意識的作意の排除シェーンベルク(1874-1951)は、出発点こそ後期ロマン派的作風でしたが、後に機能和声の放棄と十二音音楽の確立を成し遂げ、ユダヤ人としてのアイデンティティから音楽による政治参加にも踏み込んだ、西洋音楽史上でも重要な位置にいる作曲家です。...
Satoshi Enomoto2月9日6 分【名曲紹介】ファリャ《ベティカ幻想曲》:アンダルシア民族への賛歌近代スペインの作曲家 ファリャ(Manuel de Falla, 1876-1946)の名前は、クラシックを聴いている人の中でも特にスペインやバレエ方面に興味を持たない限りは触れる機会もそこまで多くないかもしれません。決して無名な作曲家ではないのですが、そもそもスペインのク...
Satoshi Enomoto2021年10月1日7 分【名曲紹介】瀧廉太郎《組歌『四季』》:日本風・実験的カンタータ?瀧廉太郎のピアノ作品についての記事をかなり前に書きました。僕自身がピアノ弾きである分、ピアノ作品にどうしても愛着があるのですが、瀧廉太郎の創作活動は専ら声楽作品が主軸であったというのが現実です。 そのうちのいくつかは学校の教科書にも載っていて、音楽を専門的に学んだことがない...
Satoshi Enomoto2021年7月15日6 分【名曲紹介】サティ《星たちの息子》:四度堆積和音の神秘的な響きクラシック音楽の作曲家で変人と呼ばれる人は割合多いのですが、中でも「異端児」の名で呼ばれた作曲家と聞いて真っ先に思い浮かぶのはサティ(Erik Satie, 1866-1925)でしょうか。 フランスのオンフルールに生まれ、幼少のうちに一家でパリへ移住します。既に音楽には興...
Satoshi Enomoto2021年6月9日5 分【名曲紹介】ベートーヴェン《ピアノソナタ第4番》Op.7ベートーヴェンの初期のピアノソナタの中で、第8番『悲愴』以外の曲はあまり顧みられないように感じます。確かに勉強として弾くことはあっても、やはり知名度や演奏効果の面で『悲愴』の地位は不動であり、他の初期ソナタをまとめて聴ける機会は貴重と言えるかもしれません。...
Satoshi Enomoto2021年6月8日5 分【名曲紹介】ベートーヴェン《ピアノソナタ第19番 & 第20番》Op.49ピアノ学習者が "ソナタ" を勉強するにあたって用いられるピアノソナタがいくつか存在します。一般的にはその前段階として小さなソナタたる "ソナチネ" に取り組む場合が殆どであると思いますが、そこからソナタへの移行時に取り組まれる定番があるわけですね。 ハイドンの...
Satoshi Enomoto2021年4月27日4 分【名曲紹介】シューマン《主題と変奏》現在の環境大臣が「おぼろげながら浮かんできたんです」という理由で温室効果ガス削減目標の数値を打ち出したことが話題になりました。僕の住んでいる選挙区から出ている方なのですが、いやはや… その話は記録に留めておくにして、このコメントから思い起こした音楽作品がありました。音楽作品...
Satoshi Enomoto2021年2月16日3 分【名曲紹介】オペラ作曲家ヴェルディのピアノ曲ジュゼッペ・ヴェルディ(Giuseppe Verdi, 1813~1901)と言えば、イタリアを代表するオペラ作曲家の一人です。オペラ自体がイタリア音楽の主産業、みたいな節もありますが、その中でも上位に食い込む人気ぶりでしょう。《ナブッコ》《仮面舞踏会》《ドン・カルロ》《ア...
Satoshi Enomoto2020年8月27日4 分【名曲紹介】瀧廉太郎の2つのピアノ曲瀧廉太郎(1879~1903)の名前は、特に音楽を趣味としているわけでない人でさえも聞いたことがあるでしょう。というか、中学校の音楽で《荒城の月》か《花》のどちらかを歌ったであろう人が殆どであると思いますし、または《箱根八里》を聴く機会もあったかもしれません。ただ、実際に一...
Satoshi Enomoto2020年8月14日7 分【名曲紹介】チェルニー《ピアノソナタ第1番》:エチュードだけじゃない、ベートーヴェンの後継者「チェルニー」の名を聞けば、ピアノを習った経験のある方々は揃ってあの苦行のようなエチュードを思い起こすでしょう。 30番練習曲集(30曲から成る《技巧練習曲》Op.849)から始めて、それが終わったら40番練習曲(40曲から成る《速度教本》Op.299)、そしてそれが終わっ...
Satoshi Enomoto2020年7月19日6 分【名曲紹介】遊ぶベートーヴェン:“小品”の魅力ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770~1827)と言えばクラシック音楽においては巨人の中の巨人、誰もがその存在と作品群を崇め奉ってきた作曲家でしょう。 僕がピアニストなので今回はピアノ作品に焦点を当てたいのですが、まず彼のピアノ作品の中で何が...
Satoshi Enomoto2020年7月14日4 分【名曲紹介】シューベルト《魔王》:4つの《魔王》と試行錯誤シューベルト(Franz Peter Schubert, 1797~1828)の名前は誰もが中学校の音楽の鑑賞の授業で耳にしていると思います。その31年という短い生涯において、膨大な数の、しかもクオリティの高いドイツ語歌曲を書き、歌曲王と呼ばれて西洋音楽史に名を残しました。...
Satoshi Enomoto2020年5月22日6 分【名曲紹介】シュルホフ《5つのピトレスク》Op.31新型コロナウィルス対策として、名古屋市教育委員会は音楽の授業で「心の中で歌う」という活動を取り入れるように指針を出しました。 音楽を心の中で捉えられるようにすることは、コロナ禍に関係無く大切なことです…が、やはり音響や演奏による負荷といった実体験を伴わなければ音楽の重量を知...
Satoshi Enomoto2020年5月17日7 分【名曲紹介】信長貴富《初心のうた》最近になってとうとう政治に対して意見を表明する人が増えてきたように思います。 これまではできるだけ波風を立てずにいた方が変な損害を被らずに済み、それで実際生活や仕事もうまく回っていたということは事実でしょう。 しかしやはり、此度のコロナ禍その他によって「政治が自分たちの生活...